今朝(9月16日)目にしたWSJの記事のタイトルは、Wall Street tyrns skittish on eve of rate cutsだった。
人工知能(モニカ)で和訳すると「ウォール街、利下げ前夜に不機嫌に」と出てきた。Skittishを不機嫌と訳すのはこの場合ピンとこないので、DeepLにも聞いてみた。こちらの訳は「ウォール街、利下げ前夜に神経質になる」
こちらはしっくりくる。モニカ(使ったエンジンはおそらくChatGPT)の訳がよいかDeepLの訳が良いかについては議論している人もいるだろうが、私は勝ったり負けたりではないか?と思っている。ただこの場合はDeepLに軍配があがったが。
さて今週半ば18日には、米連銀で2020年以降初めての政策金利の引き下げが決定される。利下げはほぼ既定路線で、問題は引き下げ幅だ。
WSJによるとトレーダーの間で利下げ幅が0.25%か0.5かはほぼ拮抗している。
またこの記事によると、景気見通しについて債券市場と株式市場では見方が分かれているそうだ。
金利デリバティブのトレーダーは、来年末の政策金利水準を2.75%程度とみているが、これは0.25%の利下げを10回行うことに相当する。このような連続的な利下げは、連銀がリセッション対応としてのみ行う可能性が高い訳だから、債券市場はリセッションに陥る可能性が高いとみているということになる。
一方株式市場はもっと楽観的だ。固定利付債は、市場金利が低下すると価格が上昇する。基本的に債券投資家は、金利低下つまり景気の減速を歓迎する傾向がある。一方株式投資家は景気の上昇を期待するので、二つの投資家のビューが対立するのは、自然なことかもしれない。
私自身は、今月の連銀の利下げ幅について、特別な判断材料を持ち合わせないが、大幅な利下げを予想する人の一つの根拠は、クレジットカードや自動車ローンの延滞が増加していることだ。これは低所得消費者層にストレスがかかっている兆候だ。
しかしこの点を強調して、最初に大幅な利下げを行うと、市場に「連銀はリセッションリスクが高いと判断している」というメッセージを送ることになる可能性がある。
したがって漠然とではあるが、今月の利下げ幅は0.25%かな、私は感じている。