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日本は「ノドン」対策を考えるべき

2009年04月07日 | 国際・政治

先週日曜日に北朝鮮が発射した「テポドン2」については、米国の軍事専門家達が現時点で米国に対する「脅威」はないと結論付けた。その理由は今回発射したテポドン2の弾頭(あるいは衛星部分)は150-200kgと推定されるが、北朝鮮の開発した原爆の重さは1-1.5トン位なので、とても米国まで核ミサイルを飛ばすことはできないというのが最大の理由だ。また弾道ミサイルは一度大気圏を抜け、再び大気圏に突入し目的地に向かうが、この再突入に耐える弾頭を開発するには至っていないと指摘している人もいる。だから米国は今のところテポドン2に脅威を感じる必要はないというのが、専門家の意見なのだ。

では日本にとってテポドン2は脅威か?と言うと余り脅威ではないだろう。何故ならもし北朝鮮が日本を攻撃するとすれば、テポドン2ではなく、射程距離の短いノドンを使うと考えられるからだ。ノドンの射程距離は1,00kmから1,300kmで、700kgから1,000kgの弾道を持つといわれている。これはほぼ日本列島をカバーしている。従って軍事的観点からは日本にとって脅威なのは、テポドンではなくノドンである。

ところで日本は今回のテポドン2発射(正確にいうと予想外の落下物に備えて)、ミサイル防衛体制を発動した。問題はミサイル防衛体制の有効性であるが、米国の専門家の間ではミサイル防衛体制は「コストの割りには実効性に問題がある」として見直しの議論が行われている。実際万一北朝鮮が日本に向けてノドンを発射した場合、数分で到達するので大量に飛来するミサイルを迎撃することは困難である。

韓国では北朝鮮のテポドン2発射を受けて、自国の弾道ミサイルの射程距離を見直すと表明した。これは北朝鮮をけん制する目的である。

日本も又北朝鮮の「ノドン」に対する脅威~これは10年以上も前からあった訳だが~を見直すべき時だろう。この場合間違ってもアメリカが「縮小見直し」を検討しているミサイル防衛システムを強化するような方向に進まないことだ。

ではどうするべきかというと、日本も先制攻撃型のミサイルを実装し、抑止力を高めるしかないと私は考えている。もう少し詳しく述べるとノドンのような弾道ミサイルではなく、トマホークのような巡航ミサイルを実装するべきだろうということだ。

少なくともこの問題について、観念論や感情論でない、実務的な議論を行う必要があることをテポドンは思い出させてくれた。

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