昨日(10月4日)発表された米国の雇用統計は、事前予想を大幅に上回る強いものだった。
9月の非農業部門雇用者増は、予想150千人を大きく上回る254千人だった。また7月および8月の雇用者数は、各々55千人、17千人合計72千人上方修正された。失業率は8月比0.1%低下して4.1%になった。
時間給は0.4%アップ年率では4%上昇した。
株式市場は、労働市場の堅調さを素直に好感し、S&P5000.9%、ダウ0.8、ナスダック1.2%上昇した。ダウは高値更新である。
雇用市場の堅調さが確認されたことで、2つの予想が広がった。一つは「連銀が当面0.5%という大幅な利下げは行わない」という予想だ。
もう一つは「堅調な経済は、大統領選挙において、経済政策では見劣りするハリス民主党候補にプラス材料だ」という見方だ。だが大統領選挙については、投票日までまだ1カ月あるので、どのようなサプライズがあるかわからない。好調な労働市場は、バイデン大統領の後継者であるハリス氏に有利なことは間違いないだろうが、決定打というほどではないだろう。
ところで9月の雇用市場を牽引したのは、「レジャー・飲食」部門、ヘルスケア部門、政府部門で、製造業等では若干の雇用減があった。
また7月、8月の雇用者数が上方修正されたことをみても、個人消費に直結するレジャー・飲食部門が極めて好調なことを示している。高金利環境にも関わらず、米国の消費者は全体としては財布の紐を締めなかったということだ。
もちろん消費が活況を続けた背景には、株高の持続という資産効果もあった。
今回の雇用統計で、米国経済がリセッションを経ることなくインフレを終焉させるソフトランディングに向かうという見込みが高まったと思う人は多いだろう。ドル円為替レートでは148円台後半までドル高が進んだ。素直を考えると米株高と合わせて週明けの日本株は急騰する可能性が高い(日経平均先物は1千円上昇している)。
石破新政権にとっては、追い風になるだろう。まったく新政権の顔触れや政策と関係のない米国の消費者がレジャーにお金を費やした結果なのだが。
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