金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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菅首相の総裁選不出馬で日経平均500円高

2021年09月03日 | ニュース
 今日(9月3日)午前中の自民党役員会で菅総理が総裁選不出馬を発表したことが複数のメディアから報じられた。首相交代に伴う経済対策期待から日本株は上昇、日経平均は500円以上上昇し、29,000円台を回復した。
 生中継で見ていた午後1時からの菅首相の短い記者発表(正確には1時5分頃~)で首相は「コロナ対策に専念することと総裁選挙を戦うことの両立は困難なのでコロナ対策に専念し総裁選不出馬を決めた」と簡単に述べた(質問を受け付けず)。

 だがこれは誰が考えてもほとんど筋が通った説明にはなっていない。何故か?というと後1カ月程度の首相在任期間にコロナ対策に専念したところでコロナウイルス問題が解決する訳ではない。対コロナ戦はもっと長期的な戦いであり、菅首相が対コロナ戦を勝ち抜く自信があるならば、その具体策を総裁選や衆院選に掲げて戦うべきだったのだ。
 そもそも間もなく退任するlame duck(死に体)の首相の指示などまともに行われる訳もないことは明白である。
 「コロナ感染対策や経済活性化対策にクリアなビジョンを打ち出せなかったので後任に託して辞任する」という方が潔いのではないだろうか?
 菅首相が総裁選不出馬を決めた本当の理由は幹事長交代を含む党人事を行おうとしても駒が揃わなかったことにある。菅首相から声を掛けられた人もLame duck首相と心中するのはソロバンが合わないと考えたのだ。
 この後誰が出てきてどうなるかは分からないが、株式市場はとりあえず菅首相の退陣を歓迎したことは間違いない。
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