金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

メガ銀、支店整理加速、どうする銀行取引

2021年05月20日 | 金融
メガバンクの支店整理が加速しています。

今朝(5月20日)の読売新聞「メガ銀 店舗改革加速」によりますと、三菱UFJ銀行は2023年度末までに過半の支店で窓口をなくすということです。マイナス金利政策の結果、銀行は利ざやが低下し収益は低迷し、さらなるリストラと収益機会の拡大が求められています。
 収益機会の拡大という意味では、昨日銀行法が改正され、銀行本体や子会社でシステム販売や人材派遣を行うことが可能になりました。
 ただそれらの収益拡大策を展開するには時間がかかりますし、新事業が成功するという保証はありません。
 そこで銀行はコスト削減と投資信託等手数料を手っ取り早く稼ぐことができる分野に戦力を投入する訳ですね。
 こんな中消費者としてはどんな姿勢で銀行取引に臨むべきでしょうか?
1.まず極力銀行に行かない・銀行のサービスを利用しないという戦略をたてるべきです。
 銀行が窓口を絞るということは窓口での手続きは時間とコストがかかるということです。送金で既にご存知でしょうが、送金手数料が一番高いのは「窓口での振り込み」で次が「ATM利用の振込」そして一番安いのが「インターネットでの振込」でしよう。と言いたいところですが、一番安い送金方法は「送金しない」か「銀行よりうんと安い方法を使って送金する」ということです。
 「送金しない」ためには購入代金等の決済時に送金手数料がかからない方法を選択する、小口資金の受け渡しにはPayPayなどスマホアプリを利用することを考えることが具体的な対策です。
 ATMの極力も極力抑えましょう。将来的には今よりも引き出し時に手数料がかかる場合が増える可能性がありますからキャッシュレスを推進して極力ATMの利用を減らします。そして引き出す時はまとめて少し多めに引き出しましょう。
2.銀行の販売する商品・サービスは割高であるという前提で考えましょう。銀行が販売する投資信託や運用サービスは、直販型投信等に較べると割高です。理由は実店舗を構え、多くのスタッフを抱えているからです。スタッフは「投資商品のリスク」は説明してくれますが「投資で成功する方法」は教えてくれません。何故なら「銀行の窓口にいるのは投資の素人」だからです。彼等・彼女等は販売マニュアルに書いてあるとおりのリスクについて説明はしてくれます。ゴルフについていえば「池に入れるとワンペナです」というルールの説明はしてくれます。しかしどうすれば「池に入れるリスクを抑えてパーが取れるショットを打てるか」という点についてアドバイスすることはできません。それは状況とプレーヤーの腕前が千差万別だからです。
 リスクの説明に高いコストを払う必要がないと考える人はできるだけコストを抑えた直販型の商品やサービスを利用することを考えましょう。
3.手際よく効率的に事前相談する訓練をしましょう。
 上の2つで「極力銀行のサービスを使わないことが銀行を上手に使う方法」だと述べましたが、対面で銀行のサービスを使う必要がある場合があります。
 一つはお金を借りる場合です。個人の場合は住宅ローンやシニアになるとリバースモーゲージなどがお金を借りる場合です。
 もう一つは高齢の家族が単独で銀行取引をすることが難しくなってきた場合の対応です。
 認知症患者が増加を続ける中、全国銀行協会は今年2月に「診断書など本人の認知症が確認された場合」医療費などについて家族が本人預金からの引き出しを可能とする方針を発表しました。
 全銀協の見解は出ているとはいえ、個別銀行の対応は差があると思いますので、可能性がある人は事前に取引銀行に相談しておくとよいと思います。
 お金を借りる場合や個別に相談する場合は、「ポイントを要領よくまとめて説明する技術」や「有利な条件を引き出す交渉力」が必要です。
 「他の銀行ではこうですよ」といった交渉材料の準備をした方が良い場合もあるでしょうね。
 銀行が「単純な手続きは窓口を使わないでインターネットでやってください」というのであればそれを理解しさらに踏み込んで「我々だってもっと安く済ませる方法があるのですよ」と言ってやりましょう。
 そして本当に必要なことについてだけ銀行と交渉するようにすると良いと思います。
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