詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

陸上イージス(その2)

2020-06-16 08:51:47 | 自民党憲法改正草案を読む
陸上イージス(その2)
       自民党憲法改正草案を読む/番外362(情報の読み方)

 2020年06月16日の読売新聞(西部版・14版)の一面。

陸上イージス「困難」/山口 危険排除できず/ブースター落下 秋田含め配備停止

 これは「政府発表」を要約しただけ。なぜ、突然、きのう河野が発表したのか、その理由がわからない。
 記事中には、

SM3ブロック2Aの開発には日米両国で2200億円以上かかったと(河野が)指摘した。

 とある。日本がいくら負担し、アメリカがいくら負担したかは明示していない。
 金銭がらみでは、3面に

コスト「合理的ではない」

 という見出しで、こんなことが書いてある。

イージスショアは本体2基やミサイルなどで約7000億円と見積もられていた。政府高官は、「高額システムの導入の背景には、同盟国に防衛費の増額を求める米国のトランプ政権の意向もあった」ともらす。すでに昨年度までに、レーダーなどで計1787億円の予算が米企業に執行されている。

 最後の部分は「計1787億円の予算が米企業に支払われている」ということだろう。アメリカ企業は、ある程度はもうけた。トランプ再選は、コロナと人種差別問題でつまずき、もう見込みがなくなった。だからトランプを気にしないで、損失を現段階でとどめるための方針転換、と読めないことはないのだが、よくわからない。
 読売新聞の記事だけでは、何があったのか、推測できない。あるいは何を隠すために、こんな記事を書いているのかわからない。
 
 ネットで入手した「東京新聞」の一面見出しは、

地上イージス計画停止/技術的問題 改善に時間

 とは別に、解説で

米兵器爆買い つまずく

 という見出し。
 この解説の見出しは、とても奇妙である。
 「爆買い」が「つまずいた」とき、困るのはだれ? 買う側は買い物が中止になっただけである。ほんとうに必要なら、なんとしてでも買う。日本が「買えなくて困る」ということはない。そうであるなら、金をつぎ込んで計画をさらに推進する。
 困るのは「売れなくなった」アメリカだろう。「爆買い」がなくなって困るのは、いつでも「売る」方である。
 この「困る」をアメリカが飲んだ。
 これが、今回のニュースのポイントだと思う。
 では、アメリカのだれが飲んだのか。原則的に考えると、トランプが飲んだということになるが、コロナと人種差別問題で窮地にいるトランプが金づるがなくなるのを「はい、わかりました」と飲むはずがない。トランプが頼るとすれば、「安倍ならいつでも武器を買ってくれる、商売になる、金稼ぎができる」しかない。
 だから、別な「だれか」が飲んだのだ。
 だれか、はわからない。

 だいたい、巨額の金が動く問題を河野ひとりで決められるわけがない。河野が矢面に立ってアメリカと交渉できるはずがない。
 第一次安倍政権が、突然、政権を放り出したことがあった。あとから「病気」が原因といわれたが、そのあとから「実はアメリカに約束したこと(軍事問題だったと思う)が守れなくなった。期限が来ている。アメリカから追及されたくないから、次期政権に丸投げした(後始末をまかせた)」と言われた。
 今回も、それと「逆」なのだが、何か共通するものがあるような気がする。
 「陸上イージス停止」は、年来ならアメリカから(トランプから)約束違反だと追及されることがらだが、どこかで「非難されない」という確証を受け取っているのかもしれない。そう感じさせる。
 安倍が出てきて説明しないのも「丸投げ」の印象を強くする。
 「トランプ再選不可能」にあわせて、日本の政治も根底から変わるのだと思う。
 安倍の「表舞台からの引退(?)」は「東京五輪簡素化」のときも感じた。それまで五輪に執着してきた安倍が「簡素化」発表のときは出てこなかった。

 「簡素化五輪」の発表に安倍が出てこなかった。「陸上イージス停止」の発表に安倍が出てこなかった。別個の問題だが、それを繋ぐと、絶対何かが起きているのだと感じてしまう。
 すでに書いたが、この発表が山本太郎の都知事選立候補表明の数時間後、というのも関係がありそうに感じられる。
 コロナ以後、「金の動き」が変わってきたのだろう。世界を動かしている「金」のつかい方に関する「認識」が変化し始めた。それは、いっぱん国民の「日常経済」を超えて、もっと違うところまで突き動かしている。「経済界」そのものを動かしている。「軍需産業頼みではだめ」という認識が生まれてきているのかもしれない。
 そういう問題が、「陸上イージス」の背後にありそうな感じがする。「防衛」の問題ではなく、きっと「経済」の問題なのだ。
 読売新聞は「金」について少ししか書いてなかったが。
 東京新聞は、兵器ローン(アメリカへのローン)の20年度現在の残高は過去最大の5兆4310億円と報じている。日本の経済界からも、何らかの「圧力」があったのかもしれない。






#検察庁法改正に反対 #安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 
 


*

「天皇の悲鳴」(1000円、送料別)はオンデマンド出版です。
アマゾンや一般書店では購入できません。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072977

ページ右側の「製本のご注文はこちら」のボタンを押して、申し込んでください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山本太郎の都知事選出馬と、「陸上イージス停止」という組み合わせ。

2020-06-16 00:24:03 | 自民党憲法改正草案を読む
小池が都知事選への出馬を、議会最終日ではなく、それよりおくれて発表した。
そして、きょう(15日)、山本太郎が都知事選への出馬を表明した。
その日のうちに、河野が「陸上イージス計画を停止する」と発表した。
なぜ、きょうだったのか。
私は、この三つには、何か重要な問題が隠されている(あるいは、あらわしている)のではないかと疑っている。
河野の発表は、以前から指摘されていた問題(ブースターが演習場以外に落下する可能性がある)に配慮して、計画を停止するというのだが、なぜ、きょうだったのか。
それが私には気になって仕方がない。
私はどうしても、山本太郎の立候補と関係があると考えてしまう。
小池の立候補表明が遅れたことも関係があると思う。
また、「東京五輪簡素化」と同じように、この「陸上イージス停止」の発表に安倍が出てこないことも何か関係があると思う。
見えないことろで、「政治」が、国民とは関係なく動いていると思う。
何の確信もなく(証拠もなく)書くのだけれど。
山本太郎が勝つのではないか。
山本太郎の「勝利」を、アメリカが指示したのではないか(支持ではなく、指示したのではないか)という「疑念」を持っている。
そして、そうであるなら。
山本太郎の「勝利」はけっして国民(都民)の勝利ではなく、アメリカの戦略になる。
アメリカの「戦略」の勝利になる。
あるいは、山本の立候補に世論の眼が集中するのを避けるために、そして小池を応援するために、河野が(自民党が)、「陸上イージス停止」を発表したとも考えられるが、もともと陸上イージスの設置場所は東京とは関係がないから、この話題にどれだけ「都民」が関心をもつかわからない。
日本がアメリカに「買う」と約束したものを、「停止」するわけだから、絶対に、アメリカの了承が「事前に」必要になる。
アメリカが了承しない限り、河野が一方的に、そういう発表をできるはずがない。
だから、絶対にアメリカの「戦略」が絡んでいると思う。
また、こんなことも思う。
山本の言う「MMT理論」は財務省の理論だし(山本は、街頭演説の中でも「財務省がこういっている」と平気で財務省の考え方を踏襲している)、自民党(資本家)の理論にすぎないと、貧乏人の私は感じる。
都知事になってしまえば、「MMT理論」はつかえなくなるんだけれどね。
国(日銀)は貨幣を発行できるが、都には貨幣を発行する「権能」はないからね。
ここが、山本の「ネック」だと思う。
そんなところからも、山本はアメリカの「戦略」に、うまいぐあいに乗せられて動いている(動かされている)と感じてしまう。
山本太郎の都知事選出馬だけだったら、「奇妙」には感じないが、追い打ちをかけるように河野が「陸上イージス停止」を発表したということに、私は、非常に、非常に、非常に、疑問を感じるのだ。

*

すこしだけ、追加。
河野が「陸上イージス停止」を発表した。
これは、日米の関係で見直すと、日本がアメリカに「陸上イージス」を買いませんということ。
買うといっていたのに買わないことになったら、ビジネスでは「違約金」が必要になる。
「もうつくってしまった(つくっている途中だ)。経費を払え」といわれたら「違約金」を払うしかないだろう。
こういう問題を河野がひとりで決断(決裁)できるはずがない。
だから、きっと「裏」がある。
裏ではもう何かが「合意」されている。
思うに。
安倍は世界で金をばらまくことで「お友達」を増やしてきた。
世界の支持を得てきた。
けれど、「陸上イージス停止」になれば、アメリカに金をばらまくことができなくなる。(違約金をはらうというばらまき方はあるが。)
河野が「停止」を発表できたのは、アメリカが金を支払わなくてもいい(支払いが遅れてもいい)ということを納得したということだろう。
で、これを逆から見れば、安倍との「金」のつきあいが切れた。
「金の切れ目は縁の切れ目」ということばがあるが、アメリカは安倍との「縁」を切った(見限った)ということだろう。
では、アメリカは、「だれ」を「縁」のつなぎめにしようとしているのか。
それを考えると、どうしても、山本太郎を選んだ、と思ってしまうのである。
山本太郎の都知事選出馬表明にあわせて(追いかけるように)、河野が「陸上イージス停止」を発表したということは、偶然ではなく、何かのメッセージだと思ってしまうのである。
きょう、「陸上イージス停止」を発表する必然性はない。
きょう、必然性があるのだとしたら、きょうの早い段階であってもいいはずだ。
山本太郎の出馬表明後、というところに「意味」があると、私は感じる。
これはもちろん、「感じ」にしかすぎない。
なんの「証拠」もない。
これに、16日の河井秘書の判決がつづく。
有罪→連座制適用も、おりこまれているかもしれない。
つまり、安倍への追及がこれから本格化するという「暗示」すら、ここには隠されているかもしれない。
そのとき。
山本太郎は、どこへ行くか。
とりあえず「都知事」に逃げ込む。立場を、国会から切り離す。そのうえで自民党に接近する。
絶対、野党とは組まない。
野党を統一するのではなく、自民党乗っ取りを考える。
「首相」をめざすとき、自民党と接近するのだ。
でも、この自民党のっとり計画は、きっと自民党へ吸収されるということになってしまう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする