神谷直樹「ウミウシの朝」(「六番目の母音」5、2020年06月15日発行)
神谷直樹「ウミウシの朝」は、ウミウシのことを書いているか。ウミウシに神谷を託して書いているか。
この書き出しはウミウシのことを描写しているようにも見えるが、いのちの長いはじまりのようにも感じられる。神谷が、遠いいのちに自分をつなげているとも受け止めることができる。
これはウミウシの気持ちだが、同時に神谷の気持ちだろう。「遠く」は「はるか」と言い直され、「にち月」と言い直される。
空間ではなく、時間なのだ。
しかし、時間と空間は、簡単に分離できない。
空間と時間は、「肉体」のなかで合体する。「肉体」のなかでおきていることは空間と時間に置き換えられるということか。
そして「肉体」とは「管」であり、「管」には「出口」と「入り口」があり、それは「空(宇宙)」に向かって開かれている。
ウミウシも人間も同じなのだ。
いのちを生きる。時間を生きる。宇宙になる。
繰り返される「など」ということばが必要かどうか、私にはわからない。ない方が、私の好みである。
一行の短さが、私は気に入っている。
**********************************************************************
「現代詩通信講座」開講のお知らせ
メールを使っての「現代詩通信講座」をはじめます。
メールで作品を送ってください。
詩への感想、推敲のヒントを1週間以内に返送します。
定員30人。
週1篇、月4篇以内。
料金は1篇(40字×20行以内、1000円)
(20行を超える場合は、40行まで2000円、60行まで3000円、20行ごとに1000円追加)
費用は月末に 1か月分を指定口座(返信の際、お知らせします)に振り込んでください。
作品は、A版サイズのワード文書でお送りください。
推薦作は、ブログ「詩はどこにあるか」で紹介します。
(ただし、掲載を希望されない場合は紹介しません。)
先着15人に限り1回目(40行以内)は無料です。16-30人は1回目は 500円です。
2回目から1篇1000円になります。
お申し込み・問い合わせは、
yachisyuso@gmail.com
**********************************************************************
*
オンデマンドで以下の本を発売中です。
(1)詩集『誤読』100ページ。1500円(送料別)
嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で詩を書いています。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072512
(2)評論『中井久夫訳「カヴァフィス全詩集」を読む』396ページ。2500円(送料別)
読売文学賞(翻訳)受賞の中井の訳の魅力を、全編にわたって紹介。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168073009
(3)評論『高橋睦郎「つい昨日のこと」を読む』314ページ。2500円(送料別)
2018年の話題の詩集の全編を批評しています。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168074804
(4)評論『ことばと沈黙、沈黙と音楽』190ページ。2000円(送料別)
『聴くと聞こえる』についての批評をまとめたものです。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168073455
(5)評論『天皇の悲鳴』72ページ。1000円(送料別)
2016年の「象徴としての務め」メッセージにこめられた天皇の真意と、安倍政権の攻防を描く。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072977
問い合わせ先 yachisyuso@gmail.com
神谷直樹「ウミウシの朝」は、ウミウシのことを書いているか。ウミウシに神谷を託して書いているか。
鰓(えら)と
触覚とを
獲得した
この書き出しはウミウシのことを描写しているようにも見えるが、いのちの長いはじまりのようにも感じられる。神谷が、遠いいのちに自分をつなげているとも受け止めることができる。
遠くまで
光と
風と
感応できるよう
置き去りにしたナメクジ
追い抜いたカタツムリ
四六時中這いまわり
狡猾なトカゲの真似をして
移動してみたい
手というもの
指というもの
その強靱にあこがれた
はるかなにち月
これはウミウシの気持ちだが、同時に神谷の気持ちだろう。「遠く」は「はるか」と言い直され、「にち月」と言い直される。
空間ではなく、時間なのだ。
しかし、時間と空間は、簡単に分離できない。
微睡(まどろみ)ながら
太古の空にとどろいた
雷鳴からの指令として
尿管など
肛門など
暗く
長くつづく
未踏の洞窟の
その出口にこそさらに下げて
口腔など
眼窩など
鼻腔など
洞穴として
空にひらく
その入り口にこそ高みに掲げて
空間と時間は、「肉体」のなかで合体する。「肉体」のなかでおきていることは空間と時間に置き換えられるということか。
そして「肉体」とは「管」であり、「管」には「出口」と「入り口」があり、それは「空(宇宙)」に向かって開かれている。
ウミウシも人間も同じなのだ。
いのちを生きる。時間を生きる。宇宙になる。
繰り返される「など」ということばが必要かどうか、私にはわからない。ない方が、私の好みである。
一行の短さが、私は気に入っている。
**********************************************************************
「現代詩通信講座」開講のお知らせ
メールを使っての「現代詩通信講座」をはじめます。
メールで作品を送ってください。
詩への感想、推敲のヒントを1週間以内に返送します。
定員30人。
週1篇、月4篇以内。
料金は1篇(40字×20行以内、1000円)
(20行を超える場合は、40行まで2000円、60行まで3000円、20行ごとに1000円追加)
費用は月末に 1か月分を指定口座(返信の際、お知らせします)に振り込んでください。
作品は、A版サイズのワード文書でお送りください。
推薦作は、ブログ「詩はどこにあるか」で紹介します。
(ただし、掲載を希望されない場合は紹介しません。)
先着15人に限り1回目(40行以内)は無料です。16-30人は1回目は 500円です。
2回目から1篇1000円になります。
お申し込み・問い合わせは、
yachisyuso@gmail.com
**********************************************************************
*
オンデマンドで以下の本を発売中です。
(1)詩集『誤読』100ページ。1500円(送料別)
嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で詩を書いています。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072512
(2)評論『中井久夫訳「カヴァフィス全詩集」を読む』396ページ。2500円(送料別)
読売文学賞(翻訳)受賞の中井の訳の魅力を、全編にわたって紹介。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168073009
(3)評論『高橋睦郎「つい昨日のこと」を読む』314ページ。2500円(送料別)
2018年の話題の詩集の全編を批評しています。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168074804
(4)評論『ことばと沈黙、沈黙と音楽』190ページ。2000円(送料別)
『聴くと聞こえる』についての批評をまとめたものです。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168073455
(5)評論『天皇の悲鳴』72ページ。1000円(送料別)
2016年の「象徴としての務め」メッセージにこめられた天皇の真意と、安倍政権の攻防を描く。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072977
問い合わせ先 yachisyuso@gmail.com