惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

えっ、ソノラマが!

2007-06-21 21:06:44 | 本と雑誌

 9月末で解散するとか。→「読者のみなさまへ 店仕舞いについてのお知らせ」

 いっぱい思い出があります。読者として、作家として。
 初めて朝日ソノラマの本を買ったのは、たぶん小学校高学年の頃。テレビアニメ(確か「狼少年ケン」)の主題歌がソノシートで付いた絵本のようなやつでした。ソノラマは、フランスからソノシートを販売するライセンスを取得して出発した会社だったはず。
 出版社として意識したのは、大学生の時。井上ひさしさんの初めての小説(自作のラジオドラマのノベライズ)『ブンとフン』を買って、その面白さに驚嘆したものでした。井上さんに小説を書かせたのがソノラマ文庫の初代編集長・石井さんだったことは、後で知りました。

 作家としては、雑誌〈獅子王〉と〈グリフォン〉でずいぶん仕事をさせてもらいました。連載した小説は文庫にしてもらいましたし、〈グリフォン〉の小説投稿コーナー「創作ジム」を担当した際には、多くの有望な書き手と出会わせてもらいました。これらは私自身の大きな財産となっています。

 知り合いの編集さんたちはどうなるのかなあ。希望すれば親会社の朝日新聞社に勤めることになるようだから、先行きの心配はあまりないのかな。
 とはいうものの、永年お付き合いした会社が消えるのは寂しい限り。ソノラマ文庫が開拓した、ビジュアル面を重視した若者向け路線は、その後のライトノベルへと繋がりました。文化史的にも大変重要な功績のあった会社です。