惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

気がかりな本

2009-08-02 20:40:05 | 本と雑誌
 移動書架の棚を増やしてから少しずつ本の整理を進めてきて、残る段ボール箱は2つ。書庫の床がかなりすっきりしました。

 今日も一日、雨が降ったり止んだりのお天気ですが、夕方にはつつじヶ丘まで出かけて書原で本漁り。
 気になっている本――小熊英二『1968』は〈上〉だけが平積みになっていました。〈下〉はまだ出ていないのか。それとも、この書店に届いていないだけなのか。

 いわゆる「全共闘」の時代を扱ったこの本は、上下巻とも1000ページあまりという分厚さ。値段も共に7140円ということで、購入には二の足を踏んでいるのです。どうするかなあ。

 自分の一生にも大きな意味をもつあの時代を、もう一度、きちんと見直してみたいと思い、笠井潔さんの著作などは読んでいるつもりですが、うまく決着をつけることができずにいます。
 私と同世代の田中優子さんは、今朝の毎日新聞書評欄でこの本を取り上げ、1962年生まれ(我々より10歳ほど年下になります)の小熊さんが「現代的不幸が乗り越えられるどころかますます深刻になっている現実を挙げ、それは全共闘世代がそれ(森下註:全共闘運動の光と影)を言語化する努力を怠り、戦後民主主義を学ぶことなく否定し、大衆消費社会に順応したからだ、と結論している」と書いています。
 「戦後民主主義を学ぶことなく」とは、どういうことなのか。本当に彼らは「大衆消費社会に順応した」のか。確認してみたい。

 やっぱり買うことになるのかなあ……。