あちらでは大統領がクビにした元役人を脅しているし、日本では閣議決定した政府答弁書でトンデモな日本語解釈を国民に示している。めちゃくちゃな世の中です。
「そもそも」問題のそもそもは、総理が「そもそも」には「基本的に」という意味もあると辞書に書いてある、と国会で発言したこと。
この発言について、民主党の初鹿議員が、自分も調べたがそんな意味はなかった、どの辞書か? という質問主意書を提出。これに対する回答がこの政府答弁書です。
「三省堂が発行した大辞林には『そもそも』について『どだい』などの記述があり、『どだい』について『物事の基礎、基本』という記述がある」というのがその内容で、「そもそも」に「基本的に」という意味があるかどうかは、直接には、触れていないようです(とはいうものの、そういう意味になりうる、と暗に強弁している)。
『大辞林』の「そもそも」の語釈に「どだい」があるのは、「どう考えても、どだい(そもそも)成り立たない」などと使用する際の、副詞的用法としてでしょう。答弁書をは、この「どだい」を「土台」と取って、「基礎、基本」と捻じ曲げていってる。これはいけません。「どだい無理」の「どだい」が、「土台」から来ているとしても、もう名詞的意味は失っているのです。
それにしても、この1件で、政治の言葉が常識や学問といかにかけ離れているか、痛感させられました。こんなことではダメなんでしょうけどね。