日中、ずっと原稿を書いていて、夕方の散歩に出るのが午後5時20分頃になりました。
東京の今日の日の入りは5時6分。西の山ぎわを残照が赤く染めていますが、あたりはすでに暗い。たそがれの道を速足で歩きました。
秋の日が沈むのを急ぐ様子を「釣瓶(つるべ)落とし」と言い習わしていますが、実際に釣瓶を見知っている人はどれだけいることやら。
私自身、どういうものかはわかっていますが、本物を見たことがあるかどうか、自信はありません。井戸から水を汲むのは、はじめは手動ポンプ、すぐに電動ポンプに替わったように思います。
でも、太い綱の感触。カラカラと滑車を鳴らして落ちてゆく木桶。井戸の水面に達して横たわり、半分沈みながら水をたたえる様子。綱を両手で交互にたぐって桶を上げる重み。
そんなことがはっきりと思い浮かぶんですよね。体験があるということなのかなあ。
そんなことを思い浮かべた夕暮れの散歩でした。