昨夜は体操世界選手権のテレビ中継に見入っていました。
村上茉愛選手、内村航平選手……特別の感慨をもって見ました。橋本大輝選手、着地が一歩、動いたのが惜しかった。
でも、昨日のスポーツ番組はその後に見ごたえのあるものが控えていました。NHK「サンデースポーツ」の特集「東京五輪 陸上男子400mリレー“バトンミスの真実”を4選手が語る」。
タイトルどおり、この夏の五輪、陸上男子400メートルリレー決勝で、第1走者の多田選手から第2走者山縣選手へのバトンタッチが失敗した場面を振り返るもの。
なぜ、バトンが渡せなかったのか。多田選手、山縣選手への取材と当日のビデオで明らかにするとともに、第3走者桐生選手、第4走者小池選手へのインタビューも加えて、4人の心境、チームワークを伝える。見事な取材でした。
バトンミスの原因は、ある意味、多田選手の走りが良すぎたため。第9レーンを突っ走り、山縣選手のもとへ近づいた時点で、内側第8レーンのイタリア選手がようやくスタートの動きを見せる。その際、大きな体が外側にふくらむような格好になり、接近していた多田選手の視界の一部を塞ぐ。山縣選手の姿が消えた!
同時に、イタリア選手に接触するのを避けようと多田選手が走るコースをやや外側にずらす(無意識?)。そのためスピードがわずかにダウン。高速スタートを切っていた山縣選手に間に合わなくなってしまったという。
そんなこともあるんだと、驚きつつ納得しました。
この特集が素晴らしかったのは、その後の4人を追った部分。選手村に帰った選手たちは、その夜、夜明け近くまで語り合ったという。そこで失意から立ち直り、結束を確認し、もう一度、次へ向かうところまでをとらえていました。
いいものを見ました。こういう報道は本当にありがたい。
リレーというものの機微を知り、選手たちそれぞれの性格をとらえなおすことができました。
番組は見逃し配信で見ることができます。また、ほぼ同内容のウェブ記事がこちらに掲載されています。