最相葉月さんから新著『星新一 一〇〇一話をつくった人』(新潮社)を贈っていただく。
なぜ、あのような作品が書けたのか。なぜ、あのようなお人柄だったのか。
星さんについては、色々と知りたいことが多い。日本SFの原点であり、中心でありながら、わからないことが多すぎる作家なのだ。
その謎を解く本がようやく出たといっていいでしょう。
最相さんが、星さんのご遺族から遺品の整理を託され、評伝執筆の準備をしていると伺ったのは、『あの頃の未来 星新一の預言』が出て間もなくの頃だったでしょうか。以来、多くの関係者に取材を重ね、ずっと書き進めて来られた。いつだったか「なかなか作家になってくれなくて困っているんですよ」と微笑みながら進行状況を教えてくださったこともありました。
本書の完成を首を長くして待ち望んでいた人は多いでしょうし、刊行を知って大喜びする人はさらに多いはず。この春いちばんの贈り物となりました。
さあ、楽しみにページを開くことにします。
年中遅いわけではありませんが、続くと難儀しますね。神保町は通勤経路なのですが、書店は19時半や20時まで。間に合わないときは遠回りになりますが23時までの渋谷ブックファーストに寄ったりします。
職場の最寄からは池袋も地下鉄一本で、リブロやジュンク堂は22時までですが、更に遠回りになるので、この方法はたまにだけです。
内容はもう、凄い、素晴らしいとしかいいようのない出来栄え。最適の人を得ての評伝だと思います。
星さん御自身が『明治・父・アメリカ』、『人民は弱し官吏は強し』の後の時代のことをいつか書きたい旨おっしゃられていたことがあったと思います。かなうことのなかったそのミッシングリンクをうめるとともに星さんの生涯をも追った力作。
SF界の外から出たことにはちょっと複雑な気持ちもしますが、今後は作品史などが書かれてもよいと思います。
少しつまみ読みをして、頭から読んでいます。
僭越ながら、最相氏のご苦労が、痛いほどよくわかります。
星さんはご自分のことをほとんど語られなかったので、この本を読む゜と驚きの連続です。