惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

『日本SF作家クラブ40年史』

2007-06-16 20:28:05 | 本と雑誌

 昨夜は『日本SF作家クラブ40年史』刊行祝賀会。アルカディア市ヶ谷5階穂高の間に、SF作家クラブ会員や出版関係者など200人ほどが集結し、賑々しく開催されました。
Sfwj40ys01  会場には、小松左京さん、石川喬司さん、眉村卓さん、平井和正さん、田中光二さん、堀晃さんらベテランの顔も見えて懐かしく、かつ和やかな雰囲気(写真は挨拶で壇上に立つ谷甲州会長)。

 この本はタイトルどおり、日本SF作家クラブが創設された1963年からの歴史をたどるもの。今年はもう44年目になりますが、「作ろう」といいだしたのが40周年の年だったのです。
Sfwj40ys02  内容は、創設当時のメンバーへのインタビュー、歴代役職者の手記、1960年代に活字化された資料の復刻、世代別SF作家・評論家座談会、年表、思い出のアルバムなど豊富です。B5版約160ページ、ハードカバー。

 会員用に作ったものですが、希望者には実費(2000円ぐらい)でお分けすることになると思います。方法はまだ確定していませんので、決まりしだいお知らせします(とりあえず「希望します」という方は、森下までメールでお知らせください(6月25日追記:メールでの希望表明受付はいったん締切ります。またの機会をお待ちください)。


『短篇ベストコレクション 現代の小説2007』

2007-06-15 15:36:02 | 本と雑誌
 関東地方は、昨日、梅雨入り。しかし、今日は朝からどんどん晴れてきて、日中は強い日差しが照りつけています。
 夕方から出かけるので降らないのはありがたいのですが、しかし、梅雨はどこへ行ってしまったの? と、いいたい気分。何か変です。

 日本文藝家協会編『短篇ベストコレクション 現代の小説2007』(徳間文庫)が発売中です。
 昨年中に雑誌掲載された小説(純文学、時代小説を除く)の中から、優れた短篇22を選んだアンソロジー。森下は、清原康正さん、長谷部史親さんらとともに作品を選択、今回は「解説」も担当しています。
 日頃はSFとノンフィクションばかりを読んでいるので、一般小説を読むのはいい刺激になりました。
 今回は、初めてで勝手のわからなかった昨年版と違い、推薦作もかなり押し込むことができたので満足。どうぞお手にとってご覧になってみてください。


大久保通り

2007-06-12 20:26:37 | まち歩き

 昨夜はバイクで上野まで出かけたのですが、行き帰りに新しいルートを試してみました。
 これまでは、甲州街道→津の守坂→靖国通り→外堀通り→順天堂病院脇一方通行路→蔵前橋通り、という行き方がもっぱら(芸大方面へ行く時は、外堀通り→白山通り→菊坂→言問通りになりますが)。

 今回は新宿から飯田橋までを、大久保通りを回るルートにしてみました。西新宿から大ガード手前を左折、小滝橋通りをちょっと北進して、職安通り→団子坂→大久保通り経由で、飯田橋で外堀通りに出ます。
 時間的には旧ルートと似たようなものですが、距離がやや短く、それに何より、車の量が少なくて精神的にずいぶん楽です。
 今後、秋葉原、上野方面へ行く時はこのルートを多用すると思います。新しい道を覚えるのは楽しい。

 上野での用件は立川三四楼くんの落語勉強会。
 肝心の落語に突入しないで、天動説・地動説からビッグバン、仏教的宇宙論へと野放図にマクラを広げてしまい、お客の顰蹙を買う破目になりました。良い肥やしにして欲しい。


種子泥棒

2007-06-10 20:12:24 | 園芸

 植物公園西側を南北に走る道は拡幅工事が行なわれていて、日ごとに周囲の様子が変わります。

 今日、御塔坂下のあたりを歩いてみると、以前は畑だったところが駐車場になっていました。生垣が取り払われ、隅にあったロウバイの木だけが残っています。春の初め――というか、まだ冬が終わらない頃に花をつけて清々しい匂いを放つ木なので、所有者も伐りとるのは忍びなかったのでしょうね。
 枝を見ると、小さなイチジクのような実(偽果というそうです)がいくつもついています。まだ緑色をしているのは今年の実で、茶色く干からびているのは去年の実のようです。

Robai0706  申し訳ないと思いながらも、昨年の茶色い偽果をひとつ失敬し、中を覗いてみました。
 種子はちょうどゴキブリの卵のような形と大きさで、3つ入っていました。これ、芽が出るのでしょうか? 試してみようかな。

 〈遊歩人〉6月号が発行されました。書評欄で、〈文藝〉別冊『総特集・半村良』(河出書房新社)、マイケル・ジーレンジガー『ひきこもりの国』(河野純治訳、光文社)、J・ストーズ・ホール『ナノフューチャー』(斉藤隆央訳、紀伊國屋書店)を取り上げています。『ひきこもりの国』は、内田樹『下流志向』(講談社)と比較してみました。


乱舞するホタル

2007-06-08 21:17:42 | 季節
 昨日、今日とあわただしく高知へ帰っておりました。
 空家とはいえ、実家があると何かと用が出来るものです。3件ばかりまとめて処理。

 今回の帰郷の圧巻はホタル。あれほどのホタルの乱舞を見たのは生れて初めてです。

 ホタルの話が出たのは、昨夜、父方の従兄姉たちや伯父・叔母らと田舎流の宴会をやっている最中のこと。風流の達人である従兄が「そういえば、今晩あたり、あそこのホタルがええかもしれん」と、数多くのホタルが飛ぶ場所が町内の山あいにあることを言い出したのです。その話を聞いた、もうすぐ91歳になるというのにかくしゃくとしている伯父が「そりゃあ、ぜひ見ちょかんといかん」と話にのり、闇がようやく深くなる午後8時過ぎでしたでしょうか、タクシーに乗り込み、仁淀川支流の谷間に繰り込んだのでした。

 渓流というほどには山深くありません。里外れの山裾に入り込んだかというような地点。橋の上や土手から流れを見下ろすと、闇の底から湧き出すように無数のホタルが舞っているのです。すぐそばまで飛んでくるホタルは、手でつかめるほど。さらに高く舞い上がったやつも黒い山肌をバックにピカ~リ、ピカ~リと緑黄色の淡い光を点滅させています。
 いったい全部で何百いるのか、何千いるのか。数はわかりませんが、幼い頃よく見たホタルもこれほどの数ではありませんでした。酔眼のせいもあって、まさに夢幻の世界に遊ぶような気分。

 いやあ、贅沢をしました。日本有数のホタルの穴場かもしれません。

 申し訳ありませんが、写真もムービーも失敗でした。あんなにはっきり見えるのに、ホタルの光は弱いんですねぇ。この目で見て楽しむための贈りものかもしれません。