原稿が一段落したので、午後、足を伸ばし八王子市の都立長沼公園まで出かけました。今年は初めて。
この公園は森も谷も深く、メインロードである霧降の道を登ってゆくと、深山幽谷を訪ねる趣きがあります。しかし、頂上に出るとすぐ南側にはニュータウンの住宅街が広がり、やや興ざめ。
多摩丘陵は高いところが基盤で、それが侵食されて谷や低地が出来たのですから、こういう地形であっても不思議はないのですが。
写真は道端で見かけたオカタツナミソウ。シソ科タツナミソウ属の多年草です。
タツナミソウは波が押し寄せるイメージですが、この花、ひとつひとつを眺めると丸山応挙の幽霊のように見えます。
ウラメシヤ~、ヒュードロドロ……とたくさんの幽霊が出現しました。
野川の岸に生えている桑の木から、完熟した実を収穫してきました。黒く熟れた実は、触れるとポロリポロリと落ちます。帰宅してシャツを脱ぐと、ズボンとの隙間にも何個かもぐりこんでいました。
指先は紫色に染まり、石鹸で洗ってもなかなか落ちません。家内がジャムにしてくれてます。食べるのが楽しみ。
写真の花はウツギ――だと思います。ユキノシタ科の落葉低木。古い枝は中空になるのでこう呼ばれるとか。
別名、ウノハナ。
手元の図鑑には「刈り込みに強いので生垣などに向く」とあります。ということは、あの歌の「卯の花」ですね。匂いはどうだったか? 今度、出会ったら、嗅いでみます。
昨日の「ヤマブキショウマ」ですが、気になってあれこれ見ていたら「アカショウマ」ではないかという気もしてきました。ヤマブキショウマはもっと高い山地に咲くらしい。
どちらなのか、もう少し調べてみます。
ぷゆぷゆとした食感はイクラのようですが、味は甘く、かすかに酸っぱい。ほのかな味です。
クサイチゴ(という名の木苺の仲間)も実っていたので、一緒に食べましたが、こちらも実にあっさりした味わい。
こんなにかすかな甘味でも、昔の子どもたちは喜んでいたんですねえ。なんだかいとおしい。
写真は同じ霊園の林の縁に咲いていたヤマブキショウマ。バラ科の多年草。丈が高く、1メートルぐらいあります。
葉っぱがヤマブキに、花はサラシナショウマに似ているから、こう呼ばれるとか。小さなシラサギがたくさん集まっているようにも見えます。
追記:むしろアカショウマ(ユキノシタ科)ではないかという気もしてきました。さらに調べなければなりません。