惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

藁人形

2015-09-24 21:04:28 | 落語

 午後から雨。連休が明けると、これなんですか? まいったね。
 でも、この雨、夕食後に聴いた落語には良い雰囲気をつくってくれたかも。

 五代目志ん生の「藁人形」。
 いったいどうして、こんな演目が古典落語として残っているのか、首をかしげるような噺なんです。

 千住の宿場女郎の板頭(ばんとう:筆頭遊女)であるお熊という女が、二階の手すりにもたれて、下を通る西念という乞食坊主に声をかけるところから、話は始まります。
 お熊は23歳。若い頃から男と浮名を流して身をもちくずし、こんな場末の女郎になり下がった年増です(昔の女の人は盛りが若かった)。母親の命日だからお経をあげてくれといって西念を呼び込み、これを縁に取り入って、「旦那に見受けされることになった。絵草紙屋の良い出物があって、買ってくれると手付を打ったが、残りを払わないと別へ売られてしまう。あいにく旦那は今、留守だが、戻るとすぐに返せるから40両、どっかで借りてもらえないかしら」と、西念にもちかける。年老いた西念を親がわりのように思っているから、ゆくゆくは引き取ってそこで一緒に暮らそうよ、とも。
 喜んだ西念は、喜捨を長年かけて溜めた全財産40両を、お熊に貸してしまう。
 後日、西念は風邪にかかり、薬代に困ってお熊を訪ねる。お熊は、「カネはないから、無理だ」と冷たい態度。西念は騙されていたのだった……。

 ということで、このお坊さんが、騙した女を呪い殺そうとする。ま、最後にはしくじってしまい、ふざけた感じのオチとなるのですが、西念の恨みはもってゆき場がなく、一方のお熊はのうのうと暮らしてゆくのだと察せられます。ただただ陰々滅目々としているだけの噺で、聴き終わってしばらくはボー然としてしまいました。
 世の中こんなもの、というひとつの真実を突きつけているんでしょうか。あまりにもヒドイがゆえに忘れられず、時が経つとまた聴きたくなったりするのかもしれません。異色の落語ではあります。


鬼胡桃

2015-09-23 21:30:11 | 園芸

 秋分の日。お彼岸の中日であり、連休最終日でもあるらしい。

 別にうらやむわけでも、ひがむわけでもないのですが、明日締切と言われている仕事があるので、頑張って家にこもっています。

 とはいえ、夕方には野川を散歩。

 上流へ1キロあまり歩いた川べりにオニグルミの木があり、毎年、かなりの実をつけます。10日ほど前、下の方の枝から青い実を10個ほど頂戴してきました。まだそのまま家に置いてあるのですが、残りはどうなっているのか。今日、散歩の途中で見てみました。
 見事になくなっていました。1個も、なし。
 楽しみにしている人が、たぶん、何人もいるのでしょうね。私が10個入手できたのは幸運でした。いずれ、食べてみたい。

 このオニグルミの枝を1本、6月に折って来て、挿し木にしてみたことは、ここに書いたか、どうか。
 短く切り、5本に分けて挿したのですが、今は、1本だけが枯れずに残っています。
 このまま育てば5年もすれば実をつけるようになるんじゃないかな。当てにはなりませんが、楽しみに育ててゆくつもり。
 うまくゆけば、川べりの実を他人と争うこともなくなります。


白粉花

2015-09-22 20:29:53 | 草花

 今日も良いお天気。

 レタスの種を蒔きました。リーフレタスと結球レタス。
 気温が高いと発芽しにくいそうで、種を水につけた後、冷蔵庫の野菜室に2日間。低温処理を施してから、蒔きました。
 場所がないので、まだ蔓が茂っているゴーヤのコンテナの隅にこちょこちょっと。レタスの芽が出て、育ち始める頃にはゴーヤをとっぱらうことができるでしょう。

 オシロイバナの咲く期間は長いですね。今も、あちこちで夕方には良い匂いを漂わせています。

 花びらはなく、きれいなのは萼だそうです。
 写真では、オシベとメシベに注目してみてください。メシベの赤い柱頭が、オシベの黄色い葯から抜きん出ています。
 ところが、下の写真では――

 メシベが湾曲して、柱頭が葯とくっついています。

 これはオシロイバナの繁殖戦略。
 夕方、咲き始めの頃は柱頭は葯と離れていて、虫に運んでもらう他の花の花粉を待ち受けています。
 ところが、朝、花がしぼむ時間が近づくと、こうやって自分のところの花粉をくっつけ、他家受粉できなかった場合に備えるのです。念入りな花ではあります。


茶の湯

2015-09-21 20:52:28 | 演芸

 秋晴れのお天気が続きます。
 今日はイチゴを植える土を調合しました。庭の黒土と堆肥と赤玉土、それにバーミキュライトも混ぜてみました。
 イチゴはコンテナ栽培で、昨年は3株。今年はコンテナを2つにして、7~8株育ててみたいと思っています。苗は、この春、収穫の終わったイチゴから伸びたランナーについた子株をとってあります。植え付けは来月になってから。うまくゆくと良いのですが。

 夕食後の演芸タイムは三代目三遊亭金馬「茶の湯」。メリハリがあって、わかりやすいので、ついつい金馬師匠を聴きたくなります。この噺でも、隠居と小僧、棟梁、寺子屋の先生などの演じ分けが見事です。

 根岸の里に長屋付きの隠居屋敷を構えたご隠居。暇をもてあまし、手すさびに茶の湯をやってみようとする。しかし、付き添い小僧の定吉も、どちらもお茶はまるっきりの素人。それなのに、ああだろう、こうだろうと、勝手に想像して材料を用意し、とんでもない茶の湯が始まります。
 「風流だなあ」などと強がりを言ってますが、飲むうちに腹が下って、夜通し厠に駆け込む始末。自分たちだけでは「もったいない」と、長屋の店子を呼んで飲ませることに……。

 「寝床」同様、旦那の困った趣味に周囲が迷惑する噺ですが、「寝床」が眠くなるだけで済んだのに比べ、こちらは、苦くて口はよじれ、お腹まで下すという、さらに猛烈な害が生じます。押し付けられる周囲の反応も実に激しい。
 金馬さんは、年下の円生師匠からこの噺を教わったといいます。隠居の店子が茶の湯の招待を受けて困り果て、夜逃げを考えるというのは、円生師匠の演出だとか。
 録音なので、奇妙な「手前」の様子を見ることができなくて残念。所作といい、表情といい、とても可笑しいでしょうねえ。笑い声がたっぷり録音されています。
 「青黄粉」「椋の皮」などをあらかじめ覚えておけば、子どもでも存分に楽しめる傑作爆笑巨編。お茶をなさってる方は、お子さまやお孫さまに聞かせてあげたらどうでしょう?


ラ式蹴球

2015-09-20 20:36:19 | スポーツ

 今日は何といってもラグビーワールドカップ。

 未明の試合は見ることができず、起きだして、「もし勝っていたら、とんでもない快挙だよね」などと、家人と話したりしていました。
 で、確認してみると、本当に日本が南アフリカに勝っているではありませんか。

 お昼にNHK・BSでやった再放送を観ました。
 結果がわかっていてもドキドキしっぱなしの試合。あちらがリードするかと思えば、こちらが追いつき、リードされて時間切れかという時の逆転トライ!
 嗚呼、眼がウルウルしてしまいました。おめでとう、日本ラグビー!

 ウェブの〈スポニチ〉によれば、英国メディアは「「W杯史上最大の衝撃」。南アフリカのメディアも「史上最大の番狂わせ」。
 『ハリー・ポッター』のJ・K・ローリングスさんも、ツイッターで「 You couldn't wrote this...(こんな話は書けないわよねぇ)」とつぶやいてました。

 こうなると第2戦以降への期待が高まります。頑張れ、エディ・ジャパン!