マルバルコウはヒルガオ科の蔓性一年草。我が家の周辺でもあちこちにはびこって、大変な勢いを誇っています。
「紅」という字が使われているように、一般には朱色の花を咲かせますが、今回は、白い花をつけているのを、野川の遊歩道で見かけました。あまり良い写真ではありませんけれども。
原産地は熱帯アメリカ。数年前からよく見るようになったと思ったら、あっという間に増殖して空き地などを覆い尽くす勢いです。国立環境研究所の侵入生物に指定されています。農業にはかなり悪影響を与えているみたい。
ただ、数年経つとまた状況が変わってくるかもしれません。
勉強中のマイクロバイオーム、今はマーティン・J・ブレイザー『失われてゆく、我々の内なる細菌』(山本太郎訳、みすず書房)を読んでいます。
第7章「現代の農夫たち」では、酪農において、抗生物質が家畜を太らせるために使われていることが指摘されています。
最初は細菌の感染を防ぐために使われた抗生物質ですが、農家は抗生物質を投与した家畜が早く生育し、肉量が増えることを発見。今では「成長促進」のため抗生物質が大量投与され、その量は、アメリカ合衆国で販売されている抗生物質の70~80パーセントにのぼるといいます。
ブレイザーさんは、主に2つの点を重視しています。
ひとつは、家畜に起こることが人間に起こらないとはいえない点。つまり、現代人の肥満は抗生物質の多用に由来するかもしれないというのです。もっといえば、抗生物質によって家畜や人間の体内のマイクロバイオームが破壊・改変されることが肥満につながるのでは、と。
もうひとつは、家畜に大量に使われる抗生物質が、肉や乳製品を通じて、人間の体内に入ること。特に、幼い子供への影響が心配されるといいます。
マイクロバイオームの危機は、つまるところ抗生物質がむやみに使われている現代文明の問題のようです。
我々としても、どういう場合にお医者さんにかかればいいのか。そして、治療を受ける際、必要最小限の抗生物質を使ってもらうためには、どうすればいいのか。かなり考えてみなければいけないように思います。