アナリストやストラテジストなどと呼ばれる人の予想はあまり当たらない。正確にいうと短期的な予想は特によく外れると思う。たとえば昨日(6月2日)日本株は大反発して日経平均は300ポイント以上上昇して、節目の15,000ポイントまで後一歩の14,035.92 ポイントで引けた。昨日のシカゴ先物市場では15,000ポイントを超えているから、今日(6月3日)オープニングで15,000ポイントを超えることは間違いないだろう。
だがこのラリーが始まる前の大方の評論家の予想は今週の日本株の頭は重たいというものだった。
株価が急上昇すると今度はなぜ上昇したのか?という分析が始まる。今朝のWSJにはInflation prospect changes Japanese stock strategiesという記事がでていた。
記事は「幾つかの長期投資家は近頃株価が下がっている環境を利用して、今後のインフレ環境に強い会社の株を拾い上げようとしている」と述べている。そしてそのような動きにより昨日の2%を超えるラリーが起きたと解説している。
先週金曜日に発表された4月の消費者物価指数は消費税増税の影響を取り去った後で前年同月比1.5%の上昇。確かにインフレの到来を予想して、インフレに強い会社の株を仕込んでおく時かもしれない。
ではインフレに強い会社とはどのような会社か?というとWSJは「価格決定力」と「成長余地」を持っている会社だ、と述べている。そして10億ドルのグローバル株式のファンドを運用するWebber氏の日立製作所を推奨する声やアムンディ社の鎌田部長の共英製鋼を推奨する声を紹介していた。
「価格競争力」を持っている会社とは市場占有率が高いとか製品の質が高い等の理由で、原材料価格の上昇により製品価格を引き上げても顧客がついてくる企業のことである。
一般的にいうと競争相手が多くかつ製品の差別化を図り難い原材料(コモディティ)の提供者は価格競争力が低く、ハイエンドな商品の提供者は価格競争力が高いと考えられる。
そのようなインフレに強い会社を探し出して、その会社の株が割安かどうかを判断しながら株を買っていくというのは、好きな人には面白い作業だろう。
だが「それほど好きではない」「時間がない」「強い会社を発見できたとしても、幾つかの会社の株を買うほど資金的に余裕がない」という人には簡単な方法がある。
それは専門家が選んでくれた優良な会社の株をまとめて買う方法である。
その一つがJPX日経400だ。http://www.tse.or.jp/market/topix/jpx_nikkei.html
これは東証と日経が一定の基準で投資家にとって魅力のある400社を選んだものだ。これは上場型投信として東証に上場されている(理論的には1口現在1千円程度から売買できる)ので通常の株式のように簡単に売買できる。
写真のグラフの青線は日経平均株価、赤線はJPX日経400の株価の推移を示している。4月中頃からJPX日経400が日経平均をアウトパフォームしているが、これは優良と思われる会社の株がそれ以外の会社の株よりも買われていることの一つの証拠であると私は考えている。
ただし評論家(私を含めて)の話は当たらないことも多いのでご用心(笑い)