金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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連銀のバランスシート削減策まずは無事にスタート

2017年09月21日 | 投資

米連銀はFOMCの後、予想通りのバランスシート削減策を発表した。

ダウは連銀のコメント発表後一時的に下げたが引けにかけて上昇し、前日比+41.79(0.19%)となった。

FOMCメンバー16人の内12人は連銀は年内にもう一度政策金利を引き上げる必要があるだろうという見方を示した。

連銀は来年3回、2019年に2回、2020年に1回の利上げが必要と判断している。ただし政策金利の落ち着きどころは2.75%とした。これは6月のFOMC時点の3%から0.25%低下した。

連銀は今年の経済成長見通しを6月時点の2.2%から2.4%に引き上げた。ただし年末のコアインフレ率見通しについては1.7%から1.5%に引き下げ、来年度のインフレ見通しについては2%から1.9%に引き下げた。

イエレン議長は「雇用市場は引き続き堅調でインフレが見込まれる」と述べる一方で「連銀のインフレ・ダイナミクスに関する理解は完全なものではない」と付け加えた。

連銀の中にもフィリップス曲線が現在の経済環境の中では完全に機能はしないという見方が出ていることを示唆したと考えられる。

景気が堅調な中で連銀が量的緩和政策を転換したことに概ね市場は好感を示したと考えられる。つまり金融政策を正常化しておくことは、将来リーマンショック級の大不況が起きた場合、再び量的緩和政策で経済を支えることができるからである。

連銀のバランスシート削減策が粛々と進めば、やがて欧州中銀もバランスシート削減に向かうだろう。伸びきった戦線は縮めておかないと次の大不況に対応することはできない。

お寒いのは日銀の状況。まったく先が見えない。日米の金利差拡大予想からドル円は一時112円台半ばに上昇した。もっともこの水準は行き過ぎという声もあり、円安傾向が鮮明になるかどうか分からないが・・・

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