天気が気になるところですが、来週大学山岳部同期生と一緒に北アルプス燕岳に登る予定です。天気が悪ければ、麓の温泉でお酒を頂きながらゴロゴロしておればよいとのんびり構えています。
この連中とは致仕の年齢を越えてお互い暇になってから、年に2回ほど泊りがけの登山とスキーに出かけています。私以外の連中の生活の拠点は関西ですからそれほど頻繁に会うことはない訳です。
もっともこの集まりは山に積極的に登ろうというより、昔話に花を咲かせようという目論見が強いと思います。
このことを考えている内に私は登山仲間には「組織志向」と「目的志向」に2つのタイプがあると思い至りました。組織志向というのは、過去に一緒に山に登ってきた仲間との旧交を大事にすると言っていいでしょう。つまり過去志向が中心。一方目的志向というのは、チャレンジングや山登りをするため、色々な方面で技術的に優れた仲間を募るなどといった山そのものにフォーカスする仲間作りと考えてよいでしょう。
私が今主に山登りをしている仲間は、昔の職域登山仲間に色々なつながりで輪が広がった緩い山の会の連中です。バックカントリースキーなどでは時々少しチャレンジングなこともしますが、基本的には普通の山道を歩く仲間です。でもお互いのキャリアがバラバラですので、昔話に花が咲くということはそれほど多くありません。その意味では「今登る山にフォーカスしている」という意味で目的志向が強い集まりということができそうです。
もっとも「組織志向」「目的志向」といっても明確な線引きがある訳ではないでしょう。昔の山仲間もチャレンジのために立ち上がることもあれば、目的志向で集まった集団も年月が経つにつれ、昔話に花を咲かせることが多くなると思います。
この組織論?を少し広げて考えると、会社などの組織にも組織志向の強い人と目的志向の強い人がいることに気が付きます。大会社の人事部などに長くいるととにかく組織の維持や防衛が第一という傾向が強くなると思います。一方外部の人たちと大きなイベントを実行するような部署にいるとプロジェクト指向が高まり、目的志向的になるでしょう。
雑駁な議論をすると日本の経済と社会の停滞は、目的志向より組織志向の方が強すぎたことにあると私は考えています。
年をとっても仲間の輪を広げるには目的志向を強めることが必要と思っています。こんな話を酒席の話題にしながら雨の温泉で旧交を温めることになるかもしれません。