読売新聞に「遭難の増加 手頃な山でも油断は禁物だ」という記事が出ていました。その中で「山選びには長野県が提唱した難易度などをランキングした『山のグレーディング』が参考になる」と書かれていました。
登山経験の少ない人にとっては、山の会や商業登山ツアーの参加募集を見て「自分が登り切れるかどうか」を判断する時の目安にはなると思います。
ランキングは「体力度」と「技術度」のマトリックスで示されています。
「体力度」は10段階で、日帰りが可能な1~3、1泊以上が適当が4~5、1,2泊以上が適当が6~7、2,3泊以上が適当が8~10になっています。
「技術度」はA~Eの5段階で、Aは登山道が整備されていて、転んだ場合でも転落・滑落の危険性は少ないルートです。最難関のEでは「緊張を強いられる厳しい岩稜の登下降が続き、転落・滑落の危険個所が連続し」「岩場・雪渓を安定して通過できるバランス能力や技術が必要」とされています。
現在ランキングを行っているのは、長野県、山梨県、静岡県、岐阜県、栃木県、群馬県、山梨県、秋田県、富山県と石鎚山山系です。
また長野県は深田久弥が選んだ日本百名山の内ランキングが行われた67山、200ルートについて一覧表を作っています。百名山登山を目指す人には参考になるでしょう。
私がこれまで登ってきた経験からいうとランキングは概ね妥当なものです。
百名山グレーディング表では、槍穂高の縦走を体力度・技術度とも最上位に位置付け、車やケーブルを使って簡単にアプローチができる茶臼岳、霧ヶ峰などを体力・技術面で一番易しいクラスに分類しています。
なおこのグレーディングを適切に利用するには、自分の体力や技術の特性を把握しておくことが必要だと私は思います。例えば体力ですが、「軽い荷物で早く歩くことは得意だが重い荷物を背負って歩くことは苦手」という人には3泊以上の登山は厳しいでしょう。
技術面では最上級のEになると「岩場・雪渓を安定して通過できる技術」に加えてルートファインディング力や登山者によってはロープを使う必要がある場合もあります。自分の技術を棚卸して、できることと苦手なことを認識して
不安があればベテラン登山者との同行を企画するなどの対策が必要でしょうね。
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