連休中に黒部川の源流付近の山々を歩いてきました。
簡単にコースを紹介すると長野県大町の奥の高瀬ダムから出発して、北アルプスの主稜線の一角烏帽子岳に至り、そこから南下して岩苔乗越から黒部源流に降り、三俣山荘に登り返します。そして鷲羽岳を往復して、黒部五郎岳を越えて岐阜県神岡に近い飛越トンネルに降るというものでした。
高瀬ダムは信濃川の支流・高瀬川にあります。飛越トンネルは神通川上流にあります。水系で見ると北アルプス北部の東を流れる高瀬川からスタートして、北アルプス北部を二分する黒部源流を横断して、北アルプス北部の西を流れる常願寺川上流の有峰ダムを眺めながら、その西の神通川上流まで降るという北アルプス横断の旅でした。
北アルプスは大きくいうと「Y字型」の山脈です。Yの字の真ん中には黒部川が流れます。Yの右枝がやや長く白馬岳から北に延びる山脈は犬が岳を経て日本海に至ります。
Yの左側は立山・剣岳を越えて毛勝山・僧ケ岳を経て宇奈月に至ります。このYの字の交点にあるのが、三俣蓮華岳です。ここは長野県・新潟県・富山県の県境が接するところです。
さて最初に登ったのが烏帽子岳です。
小ぶりな岩山ですが烏帽子そっくりです。
頂上からは四十八池という池塘群が見えます。紅葉がきれいでした。
写真写りが良いのは岩山です。岩山というとこのコースからよく見えるのが槍ヶ岳です。
写真は三俣山荘から撮った槍ヶ岳です。左続く稜線が数々のドラマを生んだ北鎌尾根です。
三俣山荘のすぐ上にそびえる鷲羽岳も写真写りの良い山です。深田久弥は日本百名山の中で「黒部と言えば、その谷の深さと険しさと美しさとで有名だが、その黒部川が産声をあげるのが鷲羽岳である」と書いています。
鷲羽岳から見る三俣山荘と三俣蓮華岳も絵になる風景です。夜テントに灯りがともる頃きれいな写真が撮れると思ったのですが、
そのチャンスはありませんでした。
今回撮った写真の中で一番気に入っているのが、朝日に輝く黒部五郎岳です。
黒部五郎岳2,840mは実に堂々とした山です。標高が3千メートルを切ることと岩登りの対象でないことで剣岳や槍穂高に較べると地味な存在ですが、黒部の盟主です。
黒部五郎岳を越えて赤木岳に登ると黒部五郎岳の北面が見えます。堂々とした山容ですが、写真写りはカールを抱く東面が良いですね。
カールの底には巨石がゴロゴロしています。太古日本にも氷河があったことの痕跡です。
黒部五郎岳の山頂からは笠ヶ岳・乗鞍岳・御嶽が良い具合に重なって見えます。
北ノ股岳に着くと有峰湖が見えました。長かった山旅のフィナーレが近づいてきました。
北ノ股岳からは西に延びる尾根を降ります(飛越新道)。
頭上には青空と北ノ股岳ののびやかな稜線が広がり、足元には草紅葉が広がっています。
「また来てみたい景色」の一つですが、飛越新道のドロドロのヌカルミを思うとちょっと躊躇したりして・・・(笑)
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