今日(4月9日)の午後(日本時間)、大手米銀19行に対するストレステストの中間報告が市場に伝えられ、「全行パス」というニュースに邦銀株に買いが入った。推測するにニュースの詳しい内容を分析する前に、ショート筋が買い戻しに入ったのだろう。
しばらくしてニューヨーク・タイムズに記事が出ていた。表題はBanks holding up in tests, but may still need aidというものだ。Hold upには色々な意味があるが、ここでは文脈から見て「手を上げる」ではなく「持ちこたえる」という意味だろう。「銀行は(ストレス)テストに耐えたが、恐らく更なる救済が必要だ」という見出しだ。
規制当局は19行総てストレス・テストをパスするだろうと述べている(テストは今月末終了の予定)。しかしこれはテストが「銀行が破綻しない」ということを示しただけで、試験官がある銀行は特別の支援が必要と判断した場合は、資本増強を求められる。
ストレス・テストはWhat-if予想という方法で行われた。What ifとはWhat would happen if~の省略形で「もし~が起きたらどうなるか?」という意味だ。新聞によると「来年までに失業率が10.3%に上昇する」「住宅価格が今年更に22%下落する」などというコンピュータが作成した仮定のシナリオの下で、資本に対する負荷がテストされた。また銀行は損失のバッファーとして向こう2年間の予想収益も求められた。
ニューヨーク・タイムズは投資家達がストレステストの中間予想に楽観的なことに対して、「ファンダメンタルに何の変化もない」というあるアナリストの言葉を引いて警鐘を鳴らしている。曰く、景気後退期には銀行はクレジット・カード債権、企業向けローン、不動産等で更なる損失を被る可能性が高い。
明日以降市場は少し落ち着いてストレス・テストの意味を分析するようになるだろう。
この関連記事はFT、他で興味深く読みました。 PPIPの対象となる資産の仕込みを今後どのように行うつもりなのだろうか?という点です。
巷では(私も)ストレステストで落第の資産をPPIPの対象とするというシナリオだったと思いますが、今後、ストレステストのバーを上げて行き、PPIP対象のToxic (Legacy) assetsを炙り出そうとしているのか。。。 今後の一手は要注目と感じました。
ストレステストに19行が及第し、市場がそれに好感したというのは、政策当局の予想外だった?というのは考え過ぎかな。。とも思った次第です。
Have a nice weekend.