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山好き金融マン(OB)のブログ
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期待されるジョンソン&ジョンソンの1回接種ワクチン、効果も株価も

2021年01月15日 | 投資
 製薬・日用品大手のジョンソン&ジョンソンが開発した新型コロナワクチンを注目したいと考えている。
 ワクチンについてはファイザーやモデルナのワクチンが先行しているが、それらのワクチンは時間をあけて2度接種する必要がある。また低温の保管や輸送が求められるなど特別な設備が必要だ。
 だが今週初期段階の治験報告が発表されたジョンソン&ジョンソンのワクチンは1回接種で特別な施設を必要としない。同社は1月中にも最終段階の治験結果を発表する予定で当局から承認されると世界中のコロナ対策に貢献することは間違いない。
 また同社株の投資家としては、このワクチン開発を梃子に株価の一段高を目指して欲しいと期待している。
 ジョンソン&ジョンソンの過去1年間の株価推移はほぼダウ平均並みである。もっとも50年以上増配を続けている同社株は配当株として魅力があるので株価の急伸を望むのは欲張り過ぎるというものだ。
 日用品・医薬品の両部門を傘下に置き、世界的に多角化している当社はトリプルAの格付を持つ超優良会社なので、私は配当率が高いインデックス投資の代替銘柄と考えている。
 
 さてワクチンの話から余談を一つ。
 それはG7の中でコロナワクチンの承認がされていないのは日本だけ!ということだ。コロナワクチンが日本人だけに特別な副作用を起こすとは考え難い(ゼロとは断言しないが)がどうして他の先進国が承認したワクチンをすぐ接種できるようにしないのだろうか?
 今菅首相の支持率が急速に低下しているが、その最大の原因は「危機対応のリーダーシップがない」ということを国民が感じていることだ。
 専門家やマスコミは医療崩壊リスクを喧伝するが、ある程度のデータを持つ国民の眼には違和感を禁じざるを得ない。それは日本よりはるかに感染者が多い欧米諸国が医療崩壊を何とか瀬戸際で食い止めているのに比べ、人口比では世界一病床数の多い日本で、多くの入院待機者が出始めているという不可解な事実だ。細かい分析は省略するが、一言でいうと「緊急時に即応した弾力的な運用を行っていない」ことで、コロナという自然災害に人的災害を加えていると私は考えている。
 孫子は「兵は拙速を聞くも,いまだ巧遅を観ざるなり」と喝破した。
 モノゴトを進めるには多少の準備不足があってもさっさと進める方が良いという意味だ。今コロナ対策で求められるのは遅い対策は対策にならないという鉄則をまずリーダー達が頭に叩き込むことだ。
 もう一つ孫子の言葉を引用しよう。
「進みて名を求めず、退きて罪を避けず、ただ民を保つ」のが国の宝だ、と将軍(リーダー)の在り方を説いている。
 だがコロナ対策で登場する国や地方自治体の責任者あるいは専門家の意見を聞いていると、「手柄は欲しいけれど失敗して責任を取る(選挙で落選する)のは嫌」という私利が前面にでて、国民全体の利益のために自分の身を捨てるという気概がまったく感じられないのである。
 コロナ危機があぶりだしたのは、その国のリスク対応力のレベルということなのだろう。

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