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桜井パパ、三井住友信託顧問に就任。顧問とは何?

2016年10月01日 | 金融

人気アイドルグループ「嵐」の櫻井翔さんのお父さんで、総務省前次官の桜井俊氏が三井住友信託銀行の顧問に就任したというニュースが2,3日前に流れた。

このニュースを私に教えてくれたのはワイフ。普通はどこの誰がどこの会社の顧問になっても注意を払わないワイフが覚えていたのは「桜井パパ」だったからである。

会社がある人に顧問就任を依頼する場合、4つのパターンがあると私は考えている。

第1は将来取締役に就任してもらう人に次の株主総会までのポジションを提供する場合である。

第2は退任した取締役等を会社がしばらく処遇するポジションを提供する場合である。

第3はその人の専門性・技術的アドバイス・営業面での人的ネットワークを期待して、会社が本当にアドバイスを求める場合である。

顧問は英語でいうとAdvisorだがこの場合はまさにAdvisorと呼ぶにふさわしい。

第4は何等かの点で弱み等を持つ会社や利権獲得を狙う会社が、官公庁や株主会社等から天下り的に人材を受け入れなければならない時にポジションを提供する場合である。

もっともこの場合も表面上は3.の形を取る。

さて桜井俊氏のケースはどれに当てはまるだろうか?2.は明らかに違うので、第1か第3第4か、あるいはその複合パターンなのか?

三井住友信託の幹部によると「元総務省次官で長年通信・IT行政にかかわってきた桜井氏からフィンテック分野等でアドバイスを受けたい」ということなので3.なのだが、狙いはそこにはとどまらないだろう。

たとえば桜井パパということでワイフがすぐニュースに反応したように、銀行としては桜井パパを「広告塔」に利用できることは間違いない。

ここまでは容易に推測が付く話。

第1の将来の役員云々は銀行の内部事情に詳しくないのでわからない。

第4についても憶測の域はでないが、何等かの可能性はあるのではないかと私は推測している。理由はマイナス金利の持続や今後金融界全般に対して「消費者の利益に反するリスク商品の販売姿勢」等に対する批判が高まり、長期的に収益が低迷する可能性が大きいと判断されるからだ。

海外では今ドイツ銀行の信用リスク問題が大きな話題になっている。直接的にはリスク商品の不正販売に関して、米国から巨額の和解金の支払いを求められることが原因だが、背景にはドイツ銀行の低収益体質がある。

このような文脈の中で桜井パパの顧問就任を考えると「広告塔」以外の何かがあるような気がするが、推測の域をでない。

 

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