昨日(10月21日)発表された米国9月の既存住宅販売統計は既存住宅市場の活況を示すものだった。
9月の季節調整後の既存住宅販売戸数(年換算)は予想611万戸に対し629万戸だった。これは8月の実績比7%の伸びである。
また9月に取引された既存住宅価格の中央値は352,500ドルで昨年同月の311,500ドルから13.3%上昇した。
9月に既存住宅取引が活況を呈した一つの理由は、長期金利上昇に伴う住宅ローン金利の引き上げが予想され、駆け込み需要があったことだ。一方既存住宅価格が上昇したため、初めて住宅を買う人は手が届かない人が多かったようだ。
Barron'sはこの現象をFirst-time home buyers are getting priced outという短い文章で示している。Priced outというと高く手がでないということだ。
既存住宅取引が活発なその他の要因としては、生活コストの高い地域から生活地域の安い地域の移住が起きているととにあると分析する人もいる。
この現象はAffordability migration と呼ばれている。Affordabilityは手頃な価格とか費用が負担できるという意味である。
アメリカ人の資産形成は株・投資信託といった金融資産と自分の住宅を通じて行われる。既存住宅(日本では中古住宅と誤訳する人が多い)市場がしっかりしていることは資産形成やライフステージに合わせた住み替えのための重要なインフラである。中国の住宅不動産市場の状況を見ると社会の成熟にはまだまだ時間がかかりそうだ。
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