金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「政策金利引き上げは景気後退を招く恐れある」パウエル証言で株は若干売られたが・・・

2022年06月23日 | 投資
 昨日パウエル連銀議長は、2日間にわたる議会証言の初日の発言で「景気後退は意図することろではないが、インフレの抑制こそ必要不可欠なものであり、そのために政策金利を引き上げるが、これは景気後退を招く可能性がある」と発言した。
 パウエル証言まで株価は前日比プラスで推移していたが、証言後若干売られ、S&P500は0.1%、ダウは0.2%、ナスダックは0.1%下落して取引を終了した。
 これとは別の話だが、WSJによると、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は経済成長は適度に収縮するが雇用市場は堅調だろうという個人的な見解を示した。
 私はパウエル証言は連銀のインフレ退治に対する強い決意を示したもので、基本的には投資家の望むところと大きく異ならないと考えている。
 経済政策や金融政策は必ず痛みを伴うものだ。副作用のない薬がないのと同じことだ。米国を襲っているインフレの原因は色々ある。ウクライナへのロシアの侵略とそれに伴う原油や食料価格の高騰、中国のロックダウンやサプライチェーンの乱れ、 そしてコロナ後のレジャー等への消費支出の急拡大だ。
 その中で連銀は中央銀行として、政策目標の優先順位を明確にした。それはインフレを以前からのターゲットであった年2%程度レベルに抑制するということだ。そのためには一時的な景気後退もやむなしとし、完全雇用に近い状態にある雇用市場で若干失業率が上がることもやむなしとしたのだ。
 私は連銀の毅然とした態度を評価したいと思う。たとえそれにより株がもう少し売られるとしても、インフレの鎮静が視界に入った時、連銀が政策金利を引き下げるのでいずれ反発することは間違いないからだ。
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