昨日(3月16日)連邦公開市場員会は0.25%の金利引き上げを8対1で決定した。反対票を投じた委員は0.5%の政策金利引き上げを求めていた。
また委員会は年内の6回以上の利上げがありうることを示唆してた。
この利上げ発表後、10年債利回りは2.185%に上昇(前日は2.16%)し、S&P500は2.2%、ダウは1.5%、ナスダックは3.8%上昇した。
政策金利の引き上げに対して、なぜ株価が急騰したか?ということを考えてみると興味深い。
一つの理由は、現在の投資家の最大の懸念は年初から顕著になってきたインフレで、非常にタイトな雇用市場やサプライチェーンの混乱からみて、インフレが簡単に収まりそうもないことにある。
今回の連銀の金利政策決定スタンスは、予想よりもタカ派寄りだ。つまり連銀のインフレ終息に向ける強い意志が示されている。また政策金利をコロナウイルスパンデミック以前のレベルまで戻しても、米国経済は乗り切れるほど強いという自信の表れでもあると投資家は判断したのだろう。
次に株式投資には「噂で買って(あるいは売って)事実で売る(あるいは買う)」という格言がある。つまり連銀の政策金利引き上げが噂に登った時が売り時で、政策決定が行われた時はすでに株価はそれを織り込んで十分下がっていたということだ。
次の株価は政策金利のニュースだけで動く訳ではないということだ。たとえば原油価格は低下傾向にあり、投資家に安心材料を提供したといえる。
今の投資環境は一昔前に較べてかなり複雑だ。
複雑な理由は、コロナウイルスに対する各国の対応状況の違いとロシアのウクライナ侵攻の影響だ。
たとえば中国はコロナウイルス感染拡大防止のため幾つかの都市でロックダウンを強化しているようだが、このことはサプライチェーンの目詰まりを起こすと同時に原油需要の減少から原油価格の低下要因になるとも考えられる。
このように考えてみると一つの政治的な動きが株価に複雑に作用することが分かってくる。
一方米国経済はコロナやウクライナ問題を乗り越えるほど強いだろうと投資家は判断したということができる。
もっとも強気になったのはここ2日ほどでこの先どうなるかは分からない。
ただこのような環境下株に投資するなら米国株、ということだけは間違いないだろう。
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