NHKの朝ドラ「マッサン」を見ている。朝ドラを見るのはほとんど初めてのことだが中々面白い。
そのマッサン、本名は竹鶴正孝、ニッカウヰスキーの創業者であることは言うまでもない。その竹鶴正孝に関する資料が外務省の外交史料館で公開されているので先日見に行ってきた。
特別展示「マッサン展」のサブタイトルは「琥珀色の夢と青いバラのものがたり」だ。
琥珀色の夢は日本における本格的なウイスキーの製造で分りやすいが、青いバラとはなにか?それはサントリー第2代目の社長を務めた佐治敬三の「青いバラを是非作って欲しい」という言葉に由来する。
特別企画の製作者は「長年ウイスキー製造に携わってきた彼(佐治敬三)が何をきっかけに青いバラを作ることを思いついたのかは、もはや調べようもありません。しかし、あえて推測を加えますと、そこにはスコットランドへの佐治敬三の敬意と愛情が秘められていたのではないでしょうか。」と述べている。そしてラグビーのイングランド・チームはウイニングランの時、胸元に赤いバラのエンブレムをつける、その様子を観た佐治はスコットランドの国旗の青地を思い出し、スコットランド・チームに青いバラを贈りたいと考えたのではないか、と推論を伸ばしている。
佐治の指示を受けたサントリーの研究者たちが青いバラを咲かせたのは佐治の死後5年経った2004年のこと。
これによって青いバラの花言葉は「不可能」から「夢がかなう」に変わったと特別企画のパンフレットは述べている。
上の写真は竹鶴正孝のパスポート。写真を見て我々日本人の中には「新しいことを好む血」が流れていると改めて思った。日本酒の造り酒屋の息子に生まれた竹鶴が、スコットランドに渡りウイスキーの製造方法を学んだ。酒は食文化とライフスタイルに密接に関係する。ウイスキーを飲むということは、英国風のライフスタイルを受け入れることに他ならない(もっともその後「水割りを食事中に飲む」という日本流の食文化が作られたが)。
世界の食文化・酒文化をこれほど豊富に取り入れている国も珍しいのではないだろうか? この先人たちのパイオニア精神を引き継ぎたいものだと思いながら外交史料館を後にした。
なお外交史料館には色々な条約の調印書が展示されている。写真は旧日米安全保障条約に関するものだ。入館料は無料だから立ち寄って損はないと思う。
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