いうまでもなく冬季五輪の話です。選手の人たちも大変だったでしょうが、見ているこちらもぐったり。虚脱状態です。
完璧に勝ちきったキム・ヨナ選手は見事の一言。しかし、それにしても、凄すぎる点数……。
あれでは、直後の浅田真央選手がどんな滑りをしても追いつけません。
スポーツと芸術と、両方の要素がある競技ではありますが、もっとスポーツとしての要素が高く評価される審査であって欲しいと思いました。浅田選手の挑む3回転半の価値は、もっと高くていい。まあ、今回の勝ち負けは、また別の問題ですが。
印象に残っているのは、ショートプログラムの前日に行なわれた公開練習の場で、浅田選手がライバルに見せつけるかのように、何度もトリプルアクセルを跳んでみせたこと。
これまでの2カ月(でしたっけ?)、タラソワコーチがロシアにいる間、ひとり、中京大学のリンクで磨きをかけてきた成果です。
しかし、たぶん、キム・ヨナ選手はそれを歯牙にもかけなかった。コーチや振り付け担当といったチーム、それに国全体のバックアップがきちっと整っている強みがあったと思います。
浅田選手は、それに対し、孤軍奮闘のイメージ。コーチが課した、芸術的かつチャレンジングな課題を、自分ひとりで完成させてきた。その姿勢を思うと、今日、滑り終えた後のインタビューでの涙も無理がないと感じました。
大きなドラマにひと区切り。しかし、来月の世界選手権からまたドラマの続きが始まります。頑張って欲しい。浅田選手なら頑張るはず。