惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

平井和正さん

2015-01-18 21:06:09 | SF

 平井和正さんが亡くなられたそうです(→平井さんの公式サイト)。享年76。心よりお悔みもうしあげます。

 

 平井さんに初めてお会いしたのは、大学1年の冬ではなかったかと思います。渋谷で開かれていた「一の日会」の例会にいらして、若い会員を誘って食事に連れていってくださいました。「オレもいいのかな?」と、不安になりながらついていったことを覚えています。とても、直接、お話したりはできませんでした。

 

 今から考えると、あれは取材の一環だったのかもしれません。それから数か月経って、『超革命的中学生集団』が朝日ソノラマから出版され、そこでは会の先輩諸氏が登場人物として暴れまくっていました。

 

 私がデビューし、最初の本が出た時には、「心優しいSFを書いてください」というお言葉を頂戴しました。確か、年賀状でだったかな。本当にありがたかった。

 

 それ以降は、会えばご挨拶をする程度のお付き合いでしたが、ここ20年ばかりはご無沙汰ばかり。
 最後にお目にかかったのは2007年初夏、SF作家クラブが40周年記念誌を出した時のことでした。もう8年前になりますね。いつもニコニコしていらした印象しかありません。

 

 作品に触れたのは、ずっと前。最初は小学校5~6年の頃。マンガ『8マン』の原作者としてでした。
 中学校に入って〈SFマガジン〉で小説を読むことになりますが、「この人は凄い!」と思ったのは、池上遼一さんが作画したマンガ『スパイダーマン』を読んでから。激しい情念とほとばしるエロスに心が翻弄されてしまい、平井さんの小説を読み返したものでした。

 

 激しい思い入れが生み出す作品には類例のない力があります。平井さんのSFが多くの人に読み継がれることを祈っています。