立秋。ということで、最高気温は 31.8℃(隣町アメダス)。
天気図を眺めると、オホーツク海に中心をもつ高気圧が東海上から張り出していて、関東地方はその勢力圏内に入っているみたい。昨日までの太平洋高気圧圏内とは少し様子が変わりました。
午後は深川江戸資料館まで出かけ、午後2時から「お江戸 de ハナシをノベル !! vol.6」。
田中啓文さんを中心とする小説家が書いた落語を、月亭文都さんが噺に練って高座にかけるという催し。落語の面白さとともに、関西のSF作家さんの顔を見られる良い機会となっています。
演目は次のとおり――
- 「千早振る」月亭秀都
- 「グルメ研究会の陰謀」(原作:北野勇作)月亭文都
- 「元猫」月亭天使
- 「うばすて村」(原案:山中利一/原作:田中啓文)月亭文都
- 「トーク de ノベル」ザ・ノベラーズ
- 「鏡」(原作:魔人ハンターミツルギ)月亭文都
- 「エンディング de ノベル」ハナノベラブラザーズ
ハナノベ落語を簡単に説明します。
「グルメ研究会の陰謀」は、大学の落語研究会に入ろうと部室を訪れた新入生が、「落研は潰れた。代わりにグルメ研究会を作った」という怪しげな先輩に連れられて学食に行き、怪しげな貧乏メニューを披露されるという噺。どもならんものを、どもならんように云々するという、落語の醍醐味を味わわせてくれるものですが、どもならんメニューだけでなく、それに入れ込んでゆく人間の情感を膨らませるとさらに面白くなると思いました。
「うばすて村」は、吾作が年老いた父親・為五郎を山に捨てて、さて、1年後にその山を尋ねてみると……。プロローグで1年後の吾作を描き、それから1年前に戻って事情を説き明かすという、小説めいた凝ったつくり。文都さんは高座でぐるりとまわりながら、時間の経過を表現していました。山中のうばすて村のなんでもありといった光景が可笑しい。
「鏡」は、鏡に映った姿と本人が会話する。ありそうなアイデアを奇妙な味のドッペルゲンガー譚に仕上げていました。短い場面の切り替えが面白かった。見台の上に鏡の枠を立て、その向こうで文都さんから語るという演出も効果的。
「トーク de ノベル」は、作家さんたちによるぐだぐだトーク。壇上に並んだのは、客席から見て左から順に、魔人ハンターミツルギ・安孫子武丸・田中啓文・北野勇作・牧野修・浅暮三文の面々。「ヒヤッとした話」を、それぞれ語りつつ自己紹介をして終了。エンディングは、この面々プラス文都師匠で「来年もよろしく」のご挨拶でした。
というようなところでしたが、本日の拾いものは天使さんの「元猫」。
江戸落語の「元犬」を、猫に換えて関西の噺にしてあったのですが、猫特有の仕草が可愛い。天使さんの猫好きぶりがうかがえました。猫柄の着物も良かった。
6年前の「お江戸 de ……」第1回と比べると、ずいぶん上手になったと感心。
ということで、良い暑気払いになった午後でした。