惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

麦藁蜻蛉

2015-08-12 21:46:06 | 動物

 最高気温 33.2℃(隣町アメダス)。にわか雨が降ったところもあったようですが、我が家のあたりはほんのちよっぴり。もう少し降って欲しかった。

 その、ほんの少しの雨の後、野川の遊歩道に出ると、柵の上にムギワラトンボがとまっていました。

 シオカラトンボのメスですね。
 よく見かけるトンボですが、じっとしていてくれて、ステレオグラムが撮れたのがうれしかった。この後、すぐに飛び立ちました。

 夕食後の演芸タイムは、先代・三遊亭金馬「花見の仇討」。

 金馬師匠は例によってわかりやすく江戸時代の花見の様子を語ってくれます。それによると、江戸っ子は、ただ花見に出かけるのでは物足りないってんで、様々な仮装をして楽しんだそうです。今でいうコスプレですね。それ専用の貸衣裳屋まであったというから、江戸の人々の遊び心は堂に入ってます。

 噺の本題は、コスプレついでに仇討ごっこを演じて、集まった人たちを驚かせようという連中が、浪人(仇)・2人の巡礼(仇討方)・六部(仲裁兼趣向をバラす役割)に扮して上野の山に出かけようとしたところ、六部が酒に酔ってやって来れない。巡礼には、途中で会った侍が助太刀について、本物の殺生になりそう……。
 「六部」の説明がなかったのは、ちょっと金馬師匠らしくなかったかも。というか、この噺を高座にかけた頃は、六部といえばすぐ通じていたのでしょうか。法華経の経典をあちこちに納めて巡った修行僧で、大きな箱を背中にしょってました。

 とはいえ、花見の最中に仇討が始まって大騒ぎになるところの描写など見事のひとこと。人垣をつくった有象無象を次々に登場させて、訳も分からず賑やかに騒ぎ立てている様子がくっきりと浮かびあがります。
 輪郭の鮮やかな描写力を誇る噺家さんでしたねぇ。