太平洋高気圧と日本海の移動性高気圧が押し合いをしているみたい。関東地方は両者の中間にあって、今日は移動性高気圧の圏内に近づきました。
最高気温 31.7℃(隣町アメダス)は、猛暑時に比べると涼しいくらい。
夕方、行った市民プールで、いつもよりひんやりした水の中から空を見上げ、「これまでと違って、秋めいてきましたねぇ」というご老人の言葉に相槌を打ったものです。
夕食後の演芸タイムは先代・文楽師匠(黒門町)の「よかちょろ」。
道楽息子の孝太郎が、遊郭通いを父親に叱られる。しかし、孝太郎はまるで悪びれるふうもなく、回収した売掛金200円(明治時代の噺なんですね)をいかに散財したか、得意げに説明する。「髭剃に5円、よかちょろに45円……」。
「ぬけぬけと」という言葉がありますが、22歳の若旦那の態度がまさにそれ。
殊に「髭剃」の説明がいいんです。遊郭の二階の一室で花魁をはべらせて、髭を当たってもらう。その場の様子を得意気に話す中で、「ここに猫がいたり、いなかったり」。
いい気なもの、なんて言葉では言い尽くせない、どうしようもなさ。バカバカしいのに、どこか風情があって、親にしてみれば余計に腹立たしいだろうなあ、と。
「この後、若旦那、勘当とあいなります」のサゲの言葉にも深く納得せざるを得ないわけです。
こういう上流っぽい人たちのバカバカしさを描くと、文楽師匠は絶品ですねぇ。ご本人の気品がなせるわざでしょうか。素晴らしい。