昨夜は芝の東京プリンスホテル・プロビデンスホールにて第18回「大藪春彦賞」贈賞式。
受賞したのは須賀しのぶさん『革命前夜』(文藝春秋)。選考過程を報告した藤田宜永さんによれば、「ほぼ全員一致」で、あっという間に決定したそうです。
写真は、正賞のトロフィーを抱える須賀さん。
トロフィーは2つひと組みでブックエンドにもなります。
20年ほど前に、コバルト文庫でデビューした須賀さんは、
「少女向けライトノベルは数をたくさん書くことに追われていたが、一般向け小説を書くようになってからは、何を書けばいいのか迷っていた。5年前に書いた『神の刺』がこの賞の候補になったことが、大きな転機になったと思う。何を書くか、なぜ書くのかを意識しながら5年間つづけてきて、ようやく歯車が噛み合ったと思えたのがこの作品でした」
と、受賞の言葉を述べられました。
旧東ドイツを舞台に、日本人ピアニストを主人公とした本作は、選考委員から音楽小説として高く評価されていて、青山文平さんの音頭による乾杯の後、会場には作中で重要な役割を果たすというバッハの「平均律」が流されました。
須賀さん、おめでとうございます。