惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

第37回日本SF大賞贈賞式

2017-04-22 21:05:55 | SF

 昨夜は飯田橋のホテル「メトロポリタン エドモント」にて、第37回日本SF大賞贈賞式。

 決定した時にも記しましたが、今回の受賞作は次のとおり――

  • 大賞:『WOMBS(ウームズ)』白井弓子(小学館)
  • 特別賞:『シン・ゴジラ』 庵野秀明:脚本・編集・総監督/樋口真嗣:監督・特技監督/尾上克郎:准監督・特技統括(東宝)

 大賞のマンガ『WOMBS』にはびっくりしました。異星の怪物を孕んだ女性(お腹が大きい)がテレポート能力を獲得して、植民惑星の戦場で活躍する――という、思いもつかなかった設定。作者はどんな人だとろうと、興味津々で出かけました。

 といっても、白井さんがどんな人なのか、具体的に想像したわけではなかったのですが、会場でお目にすると、「あ、この方だ」と納得する存在感。自分の想像/創造したものをズシンと差し出して来られる力強さをお持ちでした。

 受賞の言葉で、白井さんは、まず、前回のマンガでのSF大賞受賞が10年前、第27回の萩尾望都さんの『バルバラ異界』であったことに触れ、そもそもマンガを描くようになったきっかけは、小学生の時に読んだ萩尾さんの『百億の昼と千億の夜』(原作:光瀬龍)に激しく感動したことだったと述べられました。

 妊婦が戦士になるというアイデアを思いついた時は、「妊婦は生と死のはざまで戦っているのだ。いつか必ず形にしなくては」と考えたそうです。そして、10年経って連載開始したものの掲載誌は休刊、描き下ろしの形でもずいぶん難航したそうですが、読者の「読みたい」という声に励まされて完結させることができた、とのことでした。
 そして、最後、お子さんたちに向かって「私の心も、体も、子宮も、あなたたちが幸せになるためのものです」と締めくくられたのは、カッコ良かった。

 写真は左から、樋口真嗣さん、白井弓子さん、尾上克郎さん。庵野秀明さんは都合で欠席、代理の方がいらしてました。