今日の毎日新聞朝刊に「不便益」なる概念を提唱する、京都大学の川上浩司先生が紹介されていました。
不便益とは、不便であるがゆえに得をするという、効率第一主義に水を差す考え方。対義語は「便利害」だそうです。
いいですねえ。手間ヒマかけることに生活の面白味があると感じてきた私には大いにうなずける考え方です。
不便益の例として挙げられているのは、まず、「バリアアリー」。デイサービスセンターで、わざと階段や長い廊下を設置しているところがあるんだそうです。
バリアフリーに逆行するやり方ですが、こうすることで認知機能や筋力の低下を防ぐのだとか。
そういえば我が家でも、家族2人、できるだけトイレは2階のを使うようにしています。階段の上り下りの回数が増えて、少しは運動になるかと考えて。
川上先生は、回を重ねるごとに地図がかすれるカーナビとか、毎回、加熱時間を細かく指定しなければならない電子レンジとか、実用化されないものをいくつも考案しているそうですが、そんな中で製品化されて好評なのは「素数ものさし」だとか。目盛りの数字が素数しか記されてないので、目的の長さを測る時には頭の中で計算しながら使うことが多くなるそうです。面倒だけど、楽しいそう。
こんな生き方、大好き。