アリーナ・ザギトワ選手、事実上の引退声明。
17歳で「人生のすべてを手にしている」と言って、第一線を去るのはどういう気持ちなんでしょうね。
思い出すのは、先日のグランプリ・ファイナルで出場6人のうち最下位に沈み、キス&クライの席て涙をこらえていたあの表情。自分は競り合いの舞台から振り落とされてしまったと感じているように見えました。
女子選手もジャンプ3回転半は常識、4回転も飛ばないとメダルは難しい時代になり、そうした武器をもたない彼女は無力感に捉われたのでしょう。17歳でそうした技術を身につけるのは、もはや難しいのかもしれません。
それにしても、女子フィギュアスケートという競技は、これからどうなるのでしょう?
高得点が望めるジャンプに比重がかかる今の状態が続くとすれば、メダルを狙うには、少女の体形をとどめる15~16歳までに技術を身につけた選手が有利です。そのピークを過ぎた段階で競技生活に見切りをつける者が続出するのは、とても寂しい。ラジオノワさんにも、リプニツカヤさんにも、もっともっと滑って欲しかったのです。もちろん、ザギトワさんにも。
ジャンプだけではない、円熟した滑り全般を見たいファンは多いと思います。そして、そうした部分もしっかり評価する競技であって欲しい。