「京都の恋」(1970年5月発売)、「京都慕情」(1970年12月〃)とベンチャーズの曲でヒットを飛ばした渚ゆう子さんが次に歌ったのは、筒美京平作曲の「さいはて慕情」(1971年3月発売)、そして「雨の日のブルース」(1971年8月〃)でした。
この「雨の日のブルース」を最近、聞いて、「ああ、これだった!」と思いました。
歌詞の一部――「暗いブルースをくちずさみ」というところがたまに頭の中で鳴って、でもそれが何の歌だったのか思い出せなくてじれったい思いをすることがあったのです(詞は橋本淳)。
歌の記憶は消えにくく、あまり似たようなことはないのですが、それでもたまにはあります。
渚ゆう子さんの曲は、あまり聞く機会がなくなってしまったので、どこかに埋もれかけていたのでしょう。あらためて聞くと、どの曲もいいですねぇ。
小さい頃に沖縄民謡を習い、歌手デビューしてからはハワイアンを浜口庫之助さんから教わったとか。独特のうねるようなリズム感には両方の要素が入っているのでしょうか。艶と張りのある声が素晴らしい。