台風4号くずれの温帯低気圧は本州の南方海上を通り抜けたようで、このあたりは風雨ともたいしたことはありませんでした。
それでも日中は降ったり照ったり曇ったりと不安定な空模様。日没過ぎになってようやく落ち着いた青空が見えました。
夕方、時折り小雨が降る中を散歩。
ハケの坂道で道路横断中のカタツムリを見かけました。
例によってステレオグラムにしようと2枚連続で撮影したのですが、少し移動していたので立体視はきびしいと判断。1枚だけの写真といたします。
カタツムリですぐに思い出すのは、ポール・サイモンの「コンドルは飛んでいく」。
出だしの歌詞が「 I'd rather be a sparrow than a snail 」と、突然、スズメとカタツムリを引き合いに出してきます。地を這うカタツムリよりは、翼をもつスズメの方がいいのはわかります。
もっともこれは2連目の「 I'd rather be a hammer than a nail 」と対になっていて、韻を踏むためにもってこられたという意味合いもあるんですね。
2連目は打たれる釘よりは、打つ槌でありたいと、強い側、支配する側に立ちたいと歌っています。
「コンドルは飛んでいく」のポール・サイモンの詞は、2つのものごとを対比させ、自由でありたい、支配されたくないと訴えかけているのだと、ずっと思っていました。サビの部分では「彼方へ私は漕ぎ出したい、ここかしこと飛ぶ白鳥のように」とありますからね。
でも、他の部分もよく見てみると、「私は道路よりは森でありたい」とか「足の下にしっかり大地を感じたい」とか歌ってもいて、飛びまわることのみを好んでいるわけではない。やっかいな歌詞です。
カタツムリだって目的地に向かってしっかりと進んでいるわけで、道路を横断する姿を見て、「コンドルは飛んでいく」にあんなふうに歌われたって、カタツムリのままでいいのだと言ってみたい……そんな気がしたのでした。