植木等さん、逝く。
青島幸男さんに続いて、またも……。1960年代、高度成長期の日本人の気持ちをすご~く楽にしてくれた人たちでした。
有名な話ですが、「しゃぼん玉ホリディ」を代表するギャグ、「お呼びでない? こりゃまた失礼いたしました~!」は意図して作られたものではありませんでした。
出番でないシーンに間違って顔を出した植木さんが、セリフを言おうとしたものの、雰囲気がまったく違っていることに気づき、「オット、お呼びでないのね。こりゃまた失礼いたしました」と言って、ガハハハと笑った。これを演出の秋元近史さんがすくい上げたとか。
ふだんは生真面目な植木さんが、カメラの前では変わる。その変わった方の人格がそのまま出たセリフだったのでしょう。ありがたい偶然でした。
青島さんが作詞した「スーダラ節」を歌うかどうか悩んだ時、浄土真宗の僧侶だったお父上が「わかっちゃいるけどやめられない」は親鸞聖人の教えに通じるから、と歌うことを勧めたのも有名なエピソード。
あれこれ思い出すと、心の中がほんわりと温かくなってくるのです。本当はまだまだ「お呼びでない」のがよかったけど。
ありがとうございました、植木さん! ご冥福をお祈りいたします。
植木さん、映画は観ることができますが、できればナマの舞台やテレビのコントを見させてもらいたいものですね~。