昨日は目黒区大岡山の東京工業大学蔵前会館にて「柴野拓美さんを偲ぶ会」。東京工業大学は柴野さんの母校であり、またかつてこの近所に柴野さんのお宅があり、〈宇宙塵〉例会が行われていたという由緒深い地での開催です。
会は1部と2部にわかれ、1部は柴野さんの業績を偲ぶシンポジウム。
- パネル(1)「SF翻訳家・小隅黎さんについて」
- パネラー:鍛治靖子、酒井昭伸、高橋良平
- 司会:牧眞司
- パネル(2)「ファン活動の先達としての柴野さんの足跡」(写真)
- パネラー:池田憲章、関口芳昭、森優、山岡謙
- 司会:井上博明
翻訳の先生としての柴野さんは大変に厳しい方であったそうな。酒井さんの提出した訳を、添削なしにそのまま返してくる。「要するに0点ということなんですね」と酒井さんはおっしゃっていたように思います。「お金をもらうのですから、きちんと」と鍛治さんにはおっしゃったとか。
パネル(2)はさまざまな世代の人たちが語る柴野さん。パネラーの他に、難波弘之さんがビデオ出演されて、中学1年生の難波さんが〈宇宙塵〉に入会された当時のエピソードを語られたのが大層おもしろかった。柴野さんは難波さんのお母さんに「SFに夢中になると成績が下がりますよ」などと言ったそうです。
第2部は立食パーティー形式の懇談会。さまざまな人が柴田さんの思い出を語られました。
柴野さんがいなければ、SF大会はこんな形では続かなかったでしょうし、オタクは誕生しなかった。
SFへのぶれない姿勢を貫かれた柴野さんのおかげで、今日の日本文化はあると思います。柴野さん、ありがとうございました。