惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

追悼・横田順彌

2019-04-25 21:40:09 | ひと

 〈SFマガジン〉6月号は「横田順彌追悼特集」号。表紙は白皙の美青年であった横田さんの肖像写真。

 内容は横田さんの小説やエッセイの再録(森下も書いています)、初期の横田順彌作品を対象とした中島梓さんの評論の再録、親交のあった人たちによる追悼エッセイ、ブックガイド、著作目録など。大変、充実した内容になっています。欲をいえば年譜が欲しかったところですが、これは今後、どこかで作成されるでしょう。

 眺めていると、さまざまな感慨が浮かんできます。個人的な思い出と、SF、文学、日本文化といった広い視点から見た横田さん像。
 まだまだ整理がついてなくて、考えなければいけない課題がいっぱい。

 来月4日(土)のSFセミナー、7月27~28日の第58回日本SF大会、それに秋に開催される予定の横田さんとのお別れ会などで考えが深まってゆくのだと思います。


草木灰

2019-04-24 21:21:46 | 園芸

 朝から時折り小雨の降るお天気。
 実は、この雨を待っていたのでした。

 草木灰を作りたかったのです。
 草木灰は、枯れた草や木の枝などを低温で燃やした、栄養分の多い灰。肥料であり、土壌改良材にもなります。

 夕方、軒下に七厘を据え、冬の間に溜めておいた落花生の殻や野菜の茎、木の葉などを燃やしました。
 燃やすといっても、上に書いたように「低温」であることが必須。普通に燃やすと、酸化が進み過ぎて栄養分が少なくなってしまいます。炎をなるべく出さず、いぶすようにじっくりと。
 このためには、燃焼中に送りこむ空気の量が調節できる七厘がもってこいなのです。

 下の空気口をほぼ閉めてあまり酸素が入らないようにし、材料を少しずつ投入して灰をつくりました。
 この際、どうしても煙が出るので、雨の日にやるのがよいのです。煙が雨に紛れ、近隣への迷惑が減少します。

 2時間近くの作業で、七厘の中は灰や炭でいっぱいになりました。冷やして、ふるいにかければ良質の草木灰が手に入ります。
 これでまた畑仕事に精が出ます。


始動

2019-04-23 21:32:00 | 市民農園

 当面の締切をクリアしたので、今日から夏野菜の栽培に向けて、畑での作業を始動。
 ナスとパプリカ(赤)、つるなしインゲン、トウモロコシの苗を植え付けました。

 これが現在の我が畑のほぼ全景。3本の畝にあれこれ植え付ける計画です。

 今日、植えたのは中央の畝。手前の防虫ネットの内側に、ナス2本とパプリカ1本、それにインゲン8本が植わっています。
 奥の防虫ネットは、将来、落花生を植える予定のところで、それまでの時間繋ぎにシードテープで播種した軟弱野菜を作っています。両方のネットの間、ネットの隙間にトウモロコシ8本を植えました。

 右端の畝のマルチの部分にはトマトを植える予定。奥にはタマネギが育っています。
 左端の畝は、今、手前からパクチー、キヌサヤエンドウ、レタスが育っていて、奥の更地にはキュウリとスイカを植える予定。

 かなりの密植ですが、たくさん作りたいので、無理は承知の上。がんばって育てたいと思っています。


畑談義

2019-04-22 21:08:41 | 市民農園

 朝からがんばって仕事。
 今週末から始まる連休のせいで、下旬なかばの締切が大幅に前倒しとなって、時間がきつきつでした。こんなに集中して読書&原稿書きに励んだのはひさしぶり。
 ま、そのぶんこの後はいつもよりゆったり過ごせる(はず)。

 夕方、原稿を送った後で、市民農園へ出かけ、懸案の夏野菜植え付けの準備。マルチに穴を開けたり、あらかじめたっぷりの水で土を潤したり。

 冬から春にかけて閑散としていた市民農園ですが、今日は何人もの人がやって来て、畑仕事に励んでいました。
 一段落したところで、寄り集まって、あれこれ野菜づくりの話を。

 なごみますなあ。心がふんわり軽くなってゆくのを感じます。
 市民農園のありがたみはこんなところにもあります。


SF大賞

2019-04-20 21:30:50 | SF

 昨夜は飯田橋のホテル メトロポリタン エドモンドにて「第39回日本SF大賞贈賞式」。

 今回から贈賞式と祝賀パーティーを分離し、贈賞式はパーティー会場とは別の場所で、じっくり選考経過や受賞の挨拶などが聞けるようになりました。これは良いですね。

 以前にも書きましたが、今回の受賞は次のとおり――

  • 【大賞】
    『飛ぶ孔雀』山尾悠子(文藝春秋)
    『文字渦』円城塔(新潮社)
  • 【功績賞】
    横田順彌

 大賞のお2人の受賞の言葉から抜粋してみます――

「SFとわたし」山尾悠子
私の創作はSFというファクターを必要としない。つねに空想することを好むが、空想する自由は誰の支配下にも置かれない。(中略)SFではない『飛ぶ孔雀』がどうしてSFの賞を頂けるのか、今のところ謎のままである。

 

「受賞の言葉」円城塔
文字渦はSFなのかと問われると、違う、というのが自分の中の答である。(中略)SFではないと思っているのに、日本SF大賞という賞をこうして頂いている理由というのは、もらえるものはもらうというが方針だからで(後略)

 ということで、どちらも自作をSFでないと位置づけていらっしゃいます。運営側としては、受けてもらえるかどうかという不安が大きかったらしい。
 まぁ、SFが何かという問題になってくるのでしょうが、私としては両者ともにSF大賞にふさわしいものだと思います。

 功績賞の横田さんは、SFの賞を大喜びしてくれるはずですが、「死んでから貰っても、本人にはわからないし、喜びようがない」とボヤいていそう。
 受賞の挨拶は横田さんが深く関わった古典SF研究会会長の北原尚彦さん。「横田さんは、小説でもらいたかった、と言っておられるのでは」と故人の気持ちを代弁していました。

 写真は、左から、山尾悠子さん、円城塔さん、横田順彌さんのお姉さまと姪御さん。