惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

白土三平さん

2021-10-26 20:49:04 | ひと

 明け方までの雨が朝にはあがり、昼前から快晴の上天気。

 天気に恵まれたので、やらねば、やらねばと思っていたミミズ御殿(ミミズの飼育箱)の大掃除に取りかかりました。
 年に一度、御殿に溜まったミミズ堆肥を取り出す作業です。仕事部屋に置いてある御殿を家の外に出し、中身をすべて取り出して中の籠をひっくり返すことになります。大仕事です。
 堆肥を取り出すだけでなく、中に這い込んでいるミミズをもとの御殿に戻す必要もあり、手間と時間がかかります。結局、断続的な作業を夕方まで続けました。
 これでひと安心。この先一年間、台所の野菜屑をぞんぶんに処理することができます。

 白土三平さんが今月8日に亡くなられたとか。享年89。

 幼い頃から強烈な印象を覚えたマンガ家さんでした。『サスケ』や『ワタリ』といった少年忍者ものが最初でしたっけ(『忍者武芸帳 影丸伝』も貸本で読んでいるはずですが、記憶が曖昧)。
 それまでの忍術といえば、印を結び、まじないを唱えてドロン! というものでしたが、白土さんのそれは理にかなった、本当にありそうなもので、忍術観がガラリと変わったことでした。自然に対する深い知識と、合理的な思考をもっていたから描けたのだと思います。

 〈ガロ〉に連載した『カムイ伝』が圧倒的。中学生の時でした。これを読みたくて〈ガロ〉の定期購読を親にねだり、聞き入れてもらえなかったことは前にも書きました。
 『カムイ伝』はその後、〈ビッグコミック〉でも連載。中断後に描かれた『神話伝説シリーズ』も強烈でした。

 あと、忘れていけないのは、つげ義春さんに手伝ってもらいたくて〈ガロ〉誌上で「連絡乞う」と呼びかけたこと。
 この縁でつげさんが〈ガロ〉に描くようになり、傑作の数々が生まれたのでした。

 迫力のある画風と骨太のストーリーを忘れることはありません。素晴らしい作品をありがとうございました。


「攻めのバトン」

2021-10-25 21:01:21 | スポーツ

 昨夜は体操世界選手権のテレビ中継に見入っていました。
 村上茉愛選手、内村航平選手……特別の感慨をもって見ました。橋本大輝選手、着地が一歩、動いたのが惜しかった。

 でも、昨日のスポーツ番組はその後に見ごたえのあるものが控えていました。NHK「サンデースポーツ」の特集「東京五輪 陸上男子400mリレー“バトンミスの真実”を4選手が語る」。

 タイトルどおり、この夏の五輪、陸上男子400メートルリレー決勝で、第1走者の多田選手から第2走者山縣選手へのバトンタッチが失敗した場面を振り返るもの。
 なぜ、バトンが渡せなかったのか。多田選手、山縣選手への取材と当日のビデオで明らかにするとともに、第3走者桐生選手、第4走者小池選手へのインタビューも加えて、4人の心境、チームワークを伝える。見事な取材でした。

 バトンミスの原因は、ある意味、多田選手の走りが良すぎたため。第9レーンを突っ走り、山縣選手のもとへ近づいた時点で、内側第8レーンのイタリア選手がようやくスタートの動きを見せる。その際、大きな体が外側にふくらむような格好になり、接近していた多田選手の視界の一部を塞ぐ。山縣選手の姿が消えた!
 同時に、イタリア選手に接触するのを避けようと多田選手が走るコースをやや外側にずらす(無意識?)。そのためスピードがわずかにダウン。高速スタートを切っていた山縣選手に間に合わなくなってしまったという。
 そんなこともあるんだと、驚きつつ納得しました。

 この特集が素晴らしかったのは、その後の4人を追った部分。選手村に帰った選手たちは、その夜、夜明け近くまで語り合ったという。そこで失意から立ち直り、結束を確認し、もう一度、次へ向かうところまでをとらえていました。

 いいものを見ました。こういう報道は本当にありがたい。
 リレーというものの機微を知り、選手たちそれぞれの性格をとらえなおすことができました。
 番組は見逃し配信で見ることができます。また、ほぼ同内容のウェブ記事がこちらに掲載されています。


黄昏川面

2021-10-23 21:24:06 | 季節

 朝からびっくりするような青空が広がりました。昨日の雨の後、急速に冬型の気圧配置が強まったみたい。

 季節がカチッと切り替わったので、今日はキャベツの防虫ネットを取り払いました。こちらもかなり窮屈になっていたのです。伸び伸びと育って欲しい。

 自宅では二階ベランダのヤマノイモや螺旋階段の朝顔といった、蔓性の夏の植物を撤去。冬支度が進みます。

 夕方の散歩の途中には、ハケの上から富士山のシルエットがきれいに見えました。これもやはり冬のしるし。

 坂を下り、野川のほとりに出て、川面に映る黄昏の空を眺めました。

 日没が早くなって、こんな景色を眺めることが多くなりました。
 センチメンタルというか、メランコリーというか。鴨泳ぐ川の秋の夕暮れ、なのでした。


零余子ご飯

2021-10-22 20:37:07 | 食・レシピ

 昨夜はZOOM一の日会。
 緊急事態解除でリアル例会も可能になったので、オンラインとの兼ね合いをどうするか。みんなで話しあいました。けっこうややこしくて、解決策がなかなか見つかりません。

 今日は、一日、冷たい雨。畑には行かず、ベランダに残っていたムカゴを採りました。これでおしまい。

 夕食にはむかごご飯を炊いてもらいました。
 素朴だけど豊かな味。こういう味を楽しめるのはとてもうれしい。

 昼間には、昨日、つつじヶ丘の本屋さん「書原」で買った本をパラパラと吟味。

  • 浅羽通明『星新一の思想――予見・冷笑・賢愚のひと』(筑摩選書)
  • 山鳥重(あつし)『「わかる」とはどういうことか――認識の脳科学』(ちくま新書)
  • 高橋久美子『その農地、私が買います――高橋さん家(ち)の次女の乱』(ミシマ社)

 どれも面白そうで、今、読んでいる本を棚上げにしてでもとりかかりたい気持ち。いずれ感想を書きたいと思っています。

 他に図書館から借りてぽつぽつと読んでいる本もあるし、大変だぁ。


刈田

2021-10-20 21:05:18 | 季節

 快晴の素晴らしい秋日和。

 朝は例によって市民農園。
 防虫ネットで窮屈になっていた白菜を解放――というか、ネットを取り払ったというだけのことですが。
 その後、白菜や大根、レタスなどに追肥。今のところ順調なので、虫害、獣害、病気などが出ないことを祈るのみです。

 帰宅してスナップエンドウの種蒔き。
 夏の間、緑のカーテンを作っていたコンテナに、これから春にかけてはエンドウを育てることにしています。そのため、セルトレイに種を蒔きました。昼間は外で日に当て、夜はネズミの害に遭わないよう、室内に入れることにしています。

 夕方は佐須から八雲台方面を散歩。

 カニ山から野川へ流れる小川の流域には田んぼや畑が広がり、都会とは思えない田園風景が楽しめます。
 上流にある田んぼの風景。

 刈り取った稲を乾燥させているところ。
 たぶん稲刈り機で刈ったんでしょうね。コンバインを導入するほどの規模ではありません。だから、こうやって干す過程が必要。

 生まれ育った田舎と共通する風景なので心が和みます。日本の秋。