金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

先読みが当るとうれしいものですね

2010年08月06日 | うんちく・小ネタ

世の中、何がうれしい?といって自分が予測したり主張したことが当ること程うれしいことはないでしょうね。

アップルの多機能端末iPadが発売された頃、私はある小さな雑誌に「お年寄りにこそタブレット型コンピュータの普及を」という小文を書いて「高齢者のノーマライゼーションのために多機能端末を積極的に活用するべきだ」と主張したのです。

今日たまたまブルンバーグを見ていると、「アイパッド、おじいちゃんにも使えるぞ」という記事が出ていました。http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aCG7BlsJ.HiY

記事によると95歳の安田さんという人は「時代についていく。新しいものに乗る」ことで若さを保ってきたそうです。また東大の三浦研究員は「失敗の概念が緩いアイパッドは高齢者に優しいと強調しています。

元気なお年寄りが多機能端末を使って、充実した暮らしをする・・・・・100歳以上の所在不明者が何十名を超えたなどという暗い話題の中で元気のでる話題ですね。

ところで「失敗の概念が緩い」というのは高齢者向け商品やサービスの重要なコンセプトなのでしょうね。何にも悪いことをしていないのにパソコンから「不正な処理をしたので終了します」などと通告されるお年寄りでなくても嫌になりますからね。

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米、デフレに関して著名エコノミストの見解割れる

2010年08月06日 | 社会・経済

ニューヨーク・タイムズはデフレ・リスクに関して、ウォール・ストリートを代表する著名な2人のエコノミストの見解が割れていることを報じていた。

米国経済は今年後半に急速にスローダウンすると警告を発するのは、ゴールドマン・ザックスのMr.Hatziusで、失業率の再上昇とデフレリスクの高まりを予想する。

一方楽観的な見方を示すのは、モルガン・スタンレーのMr.Bernerで「デフレの可能性は未だ10%あるが、連銀は金利引き下げと政府証券の購入について、日本よりも積極的でプロアクティブに対応している」とその根拠を示す。

悲観論に立つMr.Hatziusの主な論拠は消費の低迷である。今週火曜日に商務省は、米国人は6月に可処分所得の6.4%を貯蓄に回したと報じている。また連銀は5月に消費者ローンは4.5%、金額にして90億ドル減少したと発表している。消費者ローンの減少は20ヶ月連続だ。Mr.Hatziusは米国の家計は借金が多過ぎた。借金返済はまだまだ続き、これが消費を抑制すると説明する。

また彼は企業は過剰設備を抱えているので、商品価格を上げることができず、デフレリスクが高まると述べる。

だがMr.BernerはMr.Hatziusが信じているよりも、企業の過剰生産能力の削減は早いと述べる。従って企業が商品価格を引き上げ利益を改善する余地が高まり、デフレリスクを回避できると主張する。また消費者の借金返済も悲観論者よりも進んでいて、消費者は再び消費に向かうと予測する。Mr.Bernerは今年後半の経済成長率は3%以上と予想する(これは悲観論のMr.Hatziusの予想1.5%の倍だ)。

今日米国で発表される民間部門の雇用増について、楽観論のMr.Bernerの予想は145,000人で、悲観論のMr.Hatziusの予想は75,000人だ。因みに市場の平均的な予想は10万人の雇用増である。

もっともMr.Bernerは「金曜日の雇用統計の数字はモザイクの中の一つのタイルに過ぎない。これから時々私の予想が当たり、時々Mr.Hatziusの予想が当ることがあるだろう。真実はくだらない程々緩やかな景気回復があるということだ」とヘッジをかけている。

Mr.BernerとMr.Hatziusは今回の不況を正確に予想した数少ないエコノミストだが、今回のデフレ予想についてはどちらに軍配が上がるのだろうか?

それにしても豊富な経験と卓越した頭脳を持つエコノミストの間でさえ、経済の先行き見通しがこれほど割れるということはまさに「異常なほど不確実な時代」である。凡人は余り大きな賭けにでるべき時代ではないだろう。

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