金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

旅行会社ってペナルティで儲けるのかなぁ?

2010年08月20日 | うんちく・小ネタ

ある団体の国内旅行の幹事をすることになった。普通は自分でJRや宿屋の手配をするのだが、暑くて面倒なので今回はJTBに頼んでみた。企画料は一人1千円だが、これ位はJRの団体割引で十分おつりが来ると喜んでいたところ、旅行前2週間程のところで1名キャンセルがでた。

「キャンセルについては旅行代金の2割を取消料として頂きます」というのがきまりという話だ。このことは旅行条件書に書いてあるのでJTBの言い分に契約上の問題はない。

だが「もし自分でJRや宿屋の手配をしていればここまで取消料を払うことはないだろうなぁ」という反省が残った。平たくいうとJTBはJRや宿屋に払う取消料を上回る分を儲けているのである。最初は「安い企画料でいろいろやってくれるなぁ」と感謝していたが、ひょっとすると旅行会社は「ある確率でキャンセルがでることを見込んで」ビジネスモデルを作っているのではないか・・・という気がしてきた。

ある年代になると「急な仕事が入ったり」「家族が病気になったり」する確率が高くなる。従って旅行をキャンセルしたりスケジュールを変更する可能性も高くなる。

そこでもっと「キャンセルリスク」について考慮する必要があるだろうと思った次第だ。例えば「割安だけれど変更がきかないチケットとかパッケージ」に飛び付くのは考え物かもしれない。

私は京都に帰る時時々「新幹線+一流ホテルのパッケージで新幹線往復料金とほとんど変わらない」というパッケージを使うことがあるのだが、これも乗る列車がガチガチに決まっている。つまりスケジュール変更リスクを背負っている訳だ。

スケジュールを変更する可能性がある・・と考える場合は「高くても変更がきくチケットを買う」「面倒でも旅行会社を通さずに自分で手配をする」ということなのだろう。

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国債の高値はバブルかどうか?

2010年08月20日 | 金融

最近私の会社や関連会社で「そろそろ短期の借入を減らして固定長期の借入比率を高めようか?」という話がよく出てくる。10年国債の利回りが1%を割り込んできたからだ。そんな時よくでる話が「金利はどこまで下がるのか?いつ反転するのか?」という話。これが分かれば苦労はしない。バーナンキ連銀議長のように沢山の専門スタッフを抱え、景気予測を専門とする人でさえ「異常なほどに不確実」と言っている位だから、凡人が先読みをすることは不可能だろう。

先が読めないなら過去を見ようということになる。過去に10年国債金利が1%を切ったのは1998年と2002年から03年にかけての2回。今回が3回目となる。03年に0.4%まで低下した金利がその後1%以上急騰したことを覚えている人は「そろそろこの辺りでヘッジするべし」と考えるのであろう。

だがファイナンシャル・タイムズは「今回の金利低下(国債価格の上昇)はバブルではないだろう」というアナリスト達の論拠を紹介していた。

一つは日本国内の資金需要が持続的に減少しているので、国債に投資する他ほとんど選択肢がないこと。次の保険会社の強い需要があること。更に海外勢から長短国債の買い需要があることだ。

注目を集めているのは中国の買い。今年前半の中国の日本国債購入量は1兆7,330億円になる(大半は1年以下の短期国債)。中国が短期国債を買う一方で、財務省は短期国債の供給量を減らしている。ソシエテ・ジェネラルは、4月から9月の間で短期国債の供給量は6兆円減ると予測しているとFTは報じている。この結果期限の短い国債を買えなくなった銀行は期間の長い国債にシフトしている訳だ。

思うに財務省の中に知恵者がいて、借入期間の長期化と借入金利の引き下げという相反する要求を同時に満たす隘路を見つけたのだろう。

相反するというと普通の会社や個人であれば、借金が増えると信用力が低下して借入金利が上昇するのが経済原則というものだが、日本国の場合は借金を重ねると金利が低下するから不思議である。

ところで今回は金利が反騰(国債価格は下落)するリスクはないのだろうか?

FTは三菱UFJモルガンスタンレーの長谷川ストラテジストのコメントを紹介していた。それによると「今0.924%の国債金利は利食いに押されて9月末までに1.1%に上昇するが、最近の弱い経済成長率と世界的な二番底懸念を見ると金利の急騰は予想できない」ということだ。

☆  ☆  ☆

バブルとは「合理的な理由がなく、射幸心からものを買いあがる」ことで発生するものとすれば、今回の国債価格の上昇は今のところバブルではないかもしれない。何故なら国債を買うには先進国のデフレ懸念や景気減速という合理的な理由があるからだ。とはいえ財政赤字改善の目処が立たない国の金利がいつまでも低いままなのか?という疑問は残るのだが。

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