金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

漸く再び退院、でも3週間では政治は変わりませんねぇ

2012年02月22日 | うんちく・小ネタ

今日(2月22日水曜日)漸く再び退院しました。「再び」というのは先週金曜日(17日)に再入院していたからです。再入院の原因は頭痛と異常な首・肩周りの強張りでした。「異常な痛さ」に髄膜炎などという恐ろしい病気(詳しくは知らない)の陰が頭の隅を過(よ)ぎったのですが、結果は大したことはありませんでした。結局内科の先生の「極度の水分不足による頭痛等の炎症」という見立てに収束しました。

比較的頭脳明晰で時間も豊富にあったものですから、テレビと新聞はよく見ていました。ネットについては、スマートフォンの充電ジャックが故障したため見ませんでしたが。

ニュースを見ていて特に感じたことは、日本を中心として「政治は3週間程度では変わらない!」ということです。

欧州ではギリシャ問題の具体的進展が遅い。押したり引いたりの駆け引きを続けながら、欧州中銀がヘアカットに応じるなど、大詰めに向けて進んでいることは進んでいる。市場のフラストレーションは相当高いと思うけれど、市場は「米国景気の回復」「日銀を含む中央銀行の金融緩和策」等を歓迎して「リスクオン」の状態が続いた。

「政治が変わらない」というと、日本の政治もまったく進展がありません(少なくとも表面上は)。「社会保障と税の一体改革」について国会討論が始まっています(暇なので時々国会中継を見ていました)が、恐ろしく枝葉末節な話か空理空論のような話が飛び交うばかりで、我が国の政治の行く末について暗澹たる気持ちにならざるを得ません。

内閣の支持率が急落する中、人気が高まっているのが大阪市の橋下市長です。彼の「船中八策」は「首相公選」「参院の廃止」などかなり劇的かつ手続き的な要素を含むものです。アナリストなどこの点を批判する人はいるのですが、私は橋下人気が高まっている理由に共感しています。それは何かというと、与野党対立の中で重要な政策課題が余りにも先送り・先送りの連続になっているからです。

社会保障等「長期的」な問題を解決するには、少子化に歯止めをかける必要があります。短期的には移民を増やすことも考えなくてはいけないでしょう。

だが今の日本では「新しいこと」「痛みを伴う可能性があること」はすっかりタブーになっています。今や大部分の国民が承知のことですが、GDP比の政府債務残高は先進国中最悪なのですが、「日本は経常黒字である」とか「日本の国債は大部分が国内で消化されている」などと理由にならない理由を付けて消費税引き上げに反対論を唱えている人がいます。

私はこれら消費税引き上げに反対する人に対し「じゃ数年先までの予算シュミレーションをしてください」といえば良いと思っています。もし「そんなことは分からん。俺の仕事じゃない」というような政治家がいれば即刻クビにするべきでしょう。

日本より財政状況が良いイタリアにおいてすら「政治家が閣僚に一人も含まれない」実務家内閣が誕生しています。

橋下市長は「自分は経済問題に(少なくとも今のところ)弱い」と言っていますから、彼が税と社会保障の一体改革を強力に推し進めるかどうか私には判断がつきません。

ただ橋下市長や改革の旗印を掲げる人は次の自明ことだけははっきりとさせて欲しいと思います。それは「タダ乗りのようなうまい話はどこにもない」ということです。この点について国民のコンセンサスを固めることがなければ、3週間経っても政治は変わらないでしょうね。とおもいました。

コメント (3)
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