このところの株高、円安(ドル高・ユーロ高)で、このブログの読者の方々の中にも随分ほっとされている方が多いと思う。という私もほっとしている一人であるが。一ヶ月近く入院していたことは何度もブログで書いているが、その間に個人ポートフォリオは大幅改善、β値の高い都銀株、証券株を中心にプラスに転じる銘柄も出てきた。
外モノではここ数ヶ月1割程度の含み損を抱えていた「セゾン投信」がついにプラスに転じ始めた。行動経済学のプロスペクト理論では「同じ金額でも損失を蒙る時の方が利益を得る場合よりも心の負担は大きい」と教える。この理論が正しいとすると、人は僅かな損失でも痛みを感じ、ロスカット等に動くということになる。
だがセゾン投信に関して言うと、私は超ドル高時期も超ユーロ安の時期もほとんど狼狽を感じなかった。その理由は幾つかある。一つは私は当該ファンドを毎月定額で購入しているので、円高時には購入口数が増え、簿価が自動的に下る~一種のドルコスト平均法~からだ。
次に過去に利益が出た時にある程度利食いをしている~一種のリバランス~ので、気持ちの上で余裕があるからだ。
また当該ファンド投資の目標利回り~漠然としたものではあるが~を、年4%程度においているので、余り無理をせずにタイミングを見て利食いを行なえるという点だ。
セゾン投信の中核は米ドル・ユーロという二大外貨と債券と株にパッシブ運用をするというもので運用コストの安さが売り物だ。
このパッシブ運用にある程度の「相場観」を交えてアクティブに運用する(主にリバランスという名目で利食いをする)のが、私の運用方法で目下のところ目標利回りを達成しているといえるだろう。
☆ ☆ ☆
資産運用に関する悪いニュースとしては「AIJ投資顧問なる運用会社が運用する約2千億円の年金資産の大部分が消滅していることが判明した」という記事が日経新聞に出ていた。AIJの名前の由来を資産管理専門の日本トラスティサービス信託の知人に聞いたところでは「社長の苗字+Investment+Japan」の略ではないでしょうか?という話だった。もっとも新聞記事によると「99.9%の確率でまともな運用はしていないはずだ」というから、Investmentはマユツバかもしれないが。
手持ちの情報では、AIJが年金基金にどの程度の利回りを提案していたかは不明だ。だがこの低金利環境の下でもし二桁の利回りを提案していたとするとかなりリスキーなものであることは間違いない。
私は先ほど4%を運用利回りの目安とすると述べたが、これにはある程度の根拠がある。一つは製薬会社や銀行大手、ドコモ等の配当利回りが4%前後だからだ。つまり4%程度の利回りであれば、それ程キャピタルロスのリスクを取らなくても達成できそうだということだ。だが仮に10%を超える配当利回りを目指すとなると東電(12%)などを保有することになり、キャピタルロスまで視野に入れざるを得なくなる。
この時期「欲を出しすぎない」ということが重要なようだ。とはいうものの、上がりだしたら上値を追いたくなるのも、投資家の心理。ドルは82円程度までは行くかな?と欲をかきながら週末を迎えることになりそうだ。