米大統領選挙の予備選挙が1月3日のアイオワ州の党員集会で始まる。
候補者は極寒のアイオワ州で選挙活動に大わらわだ。アイオワ州は小さな州にもかかわらずそこでの予備選挙の結果は大統領選挙の行方に大きな影響を持つ。
その理由や予備選挙の今日的な意味を考えて見た。合わせて大統領選挙に関係する英語表現もチェックして、来年に入ると海外ペーパーを賑わす大統領選挙関連記事を素早く読める様に準備をしてみた。
まず選挙にでることをrun for officeと表現する(より一般的な意味は「公職を求める」だ)。 予備選挙はprimary。予備選挙は夏(政権党は8月、非政権党は7月)の党大会で共和・民主両党が大統領候補を選ぶための代議員を選ぶ選挙で、党員集会caucusを通じて行われる。
アイオワ州の党員集会システムでは、党員は約2千の地区precinctに分かれて討議を行う。
候補者は支持者固めを行うのは当然だが、対立候補の支持者に対しても自分を第2位に投票することを売り込むことにも注力する。何故なら民主党のシステムでは15%以下の支持しか集められなかった候補者の票は「生き残っている他の候補者」に回るからだ。
ところで民主党の本命favoriteと見られていたヒラリー・クリントンだが、急速に支持をオバマに奪われている。昨日(26日)の日経新聞朝刊によると「クリントン氏は不法移民に自動車免許を付与する質問に明確に答えられずつまずいて、メディアや対立候補から批判を浴びた」と説明している。
だがエコノミスト誌は予備選挙活動の中でクリントン氏の「気が短い」techy、「威張り散らす」hectorという性格が目立ち、人気が落ちてきたと分析している。因みにhectorという言葉はギリシア神話に出てくる英雄ヘクトールに由来する。
エコノミスト誌によると予備選挙で重要なのは資金力ではなく「スタミナ」「明敏さ」agility「カリスマ性」だという。
大統領候補の言動は、マスコミやブログなどを通じて全米に伝えられる。アイオワ州は小さな州で2004年の選挙では13万人が党員大会に出席したにすぎないが、「先駆け」としての役割は重大だ。
ここで候補者の素顔が明らかになっていく。選挙民達は大統領候補の人間力をテストしているのだ。大統領選挙は来年11月という長い選挙戦だがこのプロセスが、民主主義を支えていると言って良いのだろう。民主主義とは手間のかかる仕組みなのだ。
ところで大統領選挙の年は統計的には株高である。ただし証券界は優勢が伝えられる民主党ではなく、共和党好みだ。大統領選挙と米国株式相場を予想しながら、選挙戦を見ていくと面白そうだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます