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最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ジェロントロジ―(老年学)の箴言集⑲ 独立するには社交が必要

2023年10月07日 | ライフプランニングファイル
 「独立するには社交が必要」という言葉は今月号(2023年11月)の文藝春秋「三田会は福澤諭吉のピンチから生まれた」という記事の中で見つけました。
 記事筆者・慶応大学の片山杜秀教授は「他者と自由に付き合えてこその独立であり、他者に媚びず自らを卑しめずに交際できるのが自尊なのだ」と書いています。そして「そのように振る舞うにはお金が必須。お金をおのれの力で得るには、学問があって良い仕事を為すのが確実な道」と書いています。
 私は「ジェロントロジ―(老年学)の箴言集①」で「恒産無ければ因りて恒心無し」という孟子の言葉を紹介して、「安定した収入がなければ自尊心を保つことができない」と書きました。
 この言葉と片山教授の言葉を繋いでみましょう。
 「安定した収入があれば、自尊心が生まれる。自尊心の目的は、独立独行をすることではなく、他人と社交的に繋がっていることだ。社交的あるいは社会的な繋がりが、人生を豊かにし時に生きていく意味を与える。だからシニアになっても社交的な繋がりは必要なのだ。」

荘子に「君子の交わりは淡きこと水の如し」「小人の交わりは甘きこと醴の如し 」という言葉があります。また論語には「君子は和して同ぜず。小人は同して和せず」という言葉があります。
小人の付き合いは、私利私欲を求めているからベタベタしているだけで独立していない。つまり自分がない。君子の付き合いは道理にかなうかどうかをベースにしているので、独立を保つことができる。そして淡白だが長続きすると解釈することができるでしょう。
 シニアの付き合いは、それにより目先の利得を求めるものではないでしょう。だから淡くて長続きするお付き合いが良いのです。そのためには自立(独立)していることが大切です。自立した人間同士の淡くて長い付き合い、それがシニアの社交の理想だと私は思います。

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